トップレベル問題に挑戦 合格る一題(うかる一題)

河合塾数学科講師 広瀬 和之(ひろせ かずゆき)
トップ層を中心に授業を担当.「基本」を重視し,「言葉」を正しく用いた指導には定評がある.全統医進模試の作成チーフを務め,著書は『合格(うか)る計算』など多数.マナビスでは「総合数学Ⅰ・A・Ⅱ・B(レベル5・6)文系」 などを担当している.

第3弾

今回は「数列」です.高校数学全範囲の中で苦手率1,2位を争う分野ですが,生徒さんが出来ない原因はハッキリしています.たとえば $ 「a_{n+1}-a_n=n^2」 $ という「1つの式」があるとき・・・

 $$\eqalign{ a_{2}-a_{1}=&1^2,\\ a_{3}-a_{2}=&2^2,\\ a_{4}-a_{3}=&3^2,\\ \vdots }$$
  • 出来ない人→ホントに“1つの”だと認識している.
  • 出来る人 →番号を付けて“並べ”, 右のように無限個の式だと認識している.

それだけのことです.だから,正しく学習すればちゃんとできるようになりますよ~.

あ,苦手率1位というのは,あるレベル以上を想定したときの話です.センターレベルとかだと,公式を暗記しているだけでもそこそこ答えが“当たって”しまうことが多いんです.それで安心して「自分は数列大丈夫」と錯覚してしまうと厄介なんですが・・・


問題

 一般項が $a_n=\displaystyle\frac{n^2}{n+1}$ である数列 $\bigl\{a_n\bigr\} (n=1,2,3,\cdots)$ の初項から第 $n$ 項までの積$a_1a_2a_3\cdots a_n$ を $A_n$ とする.
  1. $A_n=\displaystyle\frac{n!}{n+\boxed{ア}}$ である.(なお,「$n!$」は自然数 $n$ の階乗を表す.)
  2. 数列 $\bigl\{b_n\bigr\} (n=1,2,3,\cdots)$ を

    $$\eqalign{ b_1=\frac5{36}\ ,\ b_n=a_{n+1}b_{n-1}+\frac{n!}{(n+2)(n+3)}\ (n=2,3,4,\cdots) }$$

    によって定める.$\bigl\{b_n\bigr\}$ の一般項は
    $$\eqalign{ b_n=\frac{\biggl(n^2+\boxed{イ}n+\boxed{ウ}\biggr)\biggl(n+\boxed{エ}\biggr){\Large !}}{\boxed{オ}\biggl(n+\boxed{カ}\biggr)^2\biggl(n+\boxed{キ}\biggr)}. }$$

<解答方法>,・・・の一つ一つには,0から9までの数字のいずれかが入ります.
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