大学受験をするにあたり、決めなければいけない志望校。「志望校が決められない」「大学の選び方が分からない」といった悩みはありませんか? この記事では、大学の選び方のステップやポイント、注意点をお伝えします。志望校選びの参考にしてみてください。
大学進学を目指す場合は、高校入試の時と違い、自分が何を学びたいかをより細かく考えなければなりません。なぜなら多くの場合、出願時に学部や学科を選択して出願するからです。
そのため今までの自分を振り返り、未来の自分もイメージしながら、まずは学部・学科の絞り込みから始めてみましょう。
学部選びに入る前に、まずは自己分析をしましょう。それまでの自分を振り返って、自分の好きなことや嫌いなことを整理していきます。「大学で学んでみたいことが思いつかない」「将来の夢は特にない」という人も、ぜひやってみてください。やりたいことは自分の経験から見つかるもの。これが学部・学科を含め、大学選びの大きなヒントになります。
参考:進路が決まらない高校生のための、将来の夢の考え方
学部・学科選びの方法の1つ目は、将来やってみたいことや就きたい職業から逆算して選ぶ方法です。
社会人になったらどんな仕事をしたいか、大学卒業後に目指したいキャリアを考えてみましょう。次に、それを実現するのに必要な知識やスキル、資格などを調べ、それが得られる学部・学科を選びます。
例えば「ITエンジニアになりたい」なら工学部、「弁護士になりたい」なら法学部、「心理カウンセラーになりたい」なら文学部や心理学部……などです。
勉強してワクワクする教科や「もっと深く知りたい」と思う分野があれば、それに関連する学問を学べる学部・学科を選ぶのもひとつの方法です。
勉強以外でも、好きなことや興味のあることに関連する学問から選ぶのもよいでしょう。例えば本を読むのが好きなら文学、料理が好きなら栄養学や食物学、スポーツするのが好きなら健康科学やスポーツ学……など、何かしら関連する学問があるはずです。それを学べる学部・学科をピックアップしましょう。
「数学や理科が苦手だから文系学部」「国語や英語が苦手だから理系学部」といった選び方をしていませんか?このように、科目の得意・不得意だけで学部選びをするのはおすすめできません。なぜなら、科目の得意・不得意だけで決めてしまうと、受験勉強の途中でモチベーションが保てなくなったり、大学入学後に「大学の勉強がつまらない」「興味が持てない」といった状況になったりする可能性があるからです。
大学の学部・学科選びは、将来の職業にもつながる重要な選択です。あくまで自分が学んでみたいことや将来やりたいことを軸に選ぶことが大切です。
参考:文系・理系決められないときはどう選ぶ?大学受験の文理選択の考え方
希望の学部・学科を絞り込めたら、次は大学選びです。
自分が選んだ学部・学科がある大学がどの大学にあるのか調べ、興味のある大学をピックアップしていきましょう。
しかし全国には700以上もの大学があるため、学部・学科だけで絞り込むのは難しいことも。キャンパスの所在地、国公立か私立か、入試の難易度、取得できる資格、学費など、さまざまな条件から絞り込んでいくと効率的です。
気になる大学をいくつか絞り込めたら、その大学について情報収集しましょう。複数の大学の情報を比較することで、各大学の違いが分かりやすくなります。
大学の公式ホームページには学べる内容やカリキュラム、大学生活についてなどさまざまな情報が掲載されています。アドミッションポリシーやカリキュラムポリシーは、その大学が求める学生像、入学後に大学側が学生をどう育てようとしているかが分かるので、チェックするとよいでしょう。学びたいことが学べるかはもちろん、就職のサポート体制や卒業生の就職実績の情報も参考になります。
ホームページや資料だけでなく、オープンキャンパスに足を運んでみると、よりその大学の生の雰囲気を感じることができます。自分が送りたい学生生活を送ることができそうか、雰囲気が自分に合っていそうかを確認しましょう。
集めた情報をもとに、志望校を決めます。複数を比較すると分かりますが、学部・学科の名前は似ていても、学べる内容や研究内容は大学ごとに特色があり、学生生活の送り方も大学によって違うことがあります。
実際、自分の希望条件に全てぴったり合う大学を見つけるのはなかなか難しいかもしれません。学びたいことを学べるかを重視しながら、その他に大学の立地や設備、入試の難易度など、優先順位を決めながら決めていくとよいでしょう。
①学部・学科選び、②志望校選びと、大学選びの2ステップをお伝えしてきました。ここからは、後悔のない大学選びをするために注意したいポイントをご紹介します。
進路を決めるときには、大学合格がゴールではなく、その先の将来も見据えた選択をすることが重要です。大学卒業後、社会人としての生活の方がずっと長いのです。
社会では「大学で何を学び、どう成長したか」が求められます。大卒という学歴を得れば安泰、とはいえません。社会人として将来どうなりたいのか、大学に何を学びに行くのかという視点を忘れずに大学選びをしましょう。
偏差値だけ、立地だけ、世間のイメージだけで大学選びをするのはおすすめできません。せっかく入学しても「思っていたのと違う」「授業がつまらない」と、後悔する原因になるかもしれないからです。ミスマッチを防ぐためにも、自分の希望の整理、情報収集をしっかり行った上で、大学選びをしましょう。
学校の先生や保護者、塾のスタッフなどから有益な情報や意見が得られることもあります。基本的には自分で大学選びをするとはいえ、学校や塾では大学受験についての情報をたくさん持っているため、大学選びに迷ったときは相談してみるのもよいでしょう。また大学の立地や学費面など、保護者の意見を聞くのも大切なことです。
保護者や先生などの意見も聞きつつ、それらの意見に流されすぎないようにしましょう。第三者の意見だけで進路を決めてしまうと、入学後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する原因に。自分はどうしたいのかをじっくり考えて、最終的には必ず自分で決めましょう。
未来の自分を見据えて、後悔しない大学選びを
大学選びの条件や方法はさまざまありますが「大学で何を学びたいか」「将来、自分はどうしたいか」といった視点で大学選びをすることが大切です。「なんとなく有名だから」「自分でも受かりそうだから」で選ぶのではなく、まずは自己分析をして、大学で学びたいことから考えてみましょう。その上で学部・学科から先に絞り込み、次に大学をピックアップしていくとよいでしょう。
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