英検®2級の勉強に励んでいるものの、なかなか成果が出ずに焦りを感じていませんか。独学で勉強していると、モチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。しかし英検®2級に合格すれば、大学受験や就職活動で大きなアドバンテージになるはずです。
この記事では、英検®2級合格に必要な勉強時間をもとに、効率的な学習計画の立て方をご紹介します。
英検®2級の合格に必要な勉強時間は、受検者の学習開始時点における英語学習の経験や習熟度に応じて異なります。
ここでは英検®2級合格までの学習時間を、英検®準2級レベルから始める場合と、3級レベルからスタートする場合に分けて紹介します。それぞれ効率的に学習を進める目安となる時間を確認しましょう。
英検®準2級は高校中級程度です。
準2級から2級へステップアップするには、約170時間の学習時間が必要とされています。仮に毎日2時間勉強に充てれば約85日(2~3か月)ほどで合格レベルに到達できる計算です。
さらに集中して毎日3時間学習すれば、約50日(1~2か月)ほどで目標達成が可能でしょう。
英検®3級は中学卒業程度の英語力に相当するレベルです。
3級レベルから2級へ合格するためには、約340時間の学習時間が求められます。毎日2時間の勉強を継続すれば約170日(5~6か月)ほどで目標に到達可能です。
1日あたりの学習時間を3時間に増やせば、約113日(3~4か月)ほどで2級合格が視野に入ります。
英検®3級レベルで準2級の勉強をする場合と、英検®準2級レベルで2級の勉強をする場合は、同等の勉強時間が求められます。
しかし、英検®準2級と2級とでは問題の難易度や傾向が異なるため、量だけではなく質の高い勉強をしなければなりません。
ここからは、質の高い勉強が求められる理由について詳しくみていきましょう。
英検®2級と準2級では、問題数にそれほど大きな差はありませんが、2級では問題のレベルが格段に高くなります。単なるテクニックや知識だけでは対応しきれず、根本的な英語力を向上させる必要があるのです。
2級では長文問題が増え、ライティング問題の難易度も上がるため、基礎力の土台をしっかりと築いておくことが求められます。暗記するだけでは通用しない英語力が試されるのが、2級の特徴です。
準2級では日常生活に根ざした内容が主流でしたが、2級になると医療やテクノロジーなどの社会性の高いトピックが増加します。環境問題や産業、働き方など、時事的な話題に関連する単語や熟語の習得が不可欠となるのです。
2級では社会で通用する英語力を身に付ける必要があるため、多岐にわたるトピックに触れ、語彙を拡充しておくことが大切です。
英検®2級の合格に必要な勉強時間は、学習開始時点の英語力によって大きく異なります。まずは、2級の合格レベルと難易度を正しく理解することが大切です。
自分の現在の英語力と、目指すべき2級合格レベルとの差を把握することで、効率的な学習計画を立てられます。
英検®準2級の英語力を土台に、実生活での応用力を身に付けていることが英検®2級の合格レベルです。社会生活に必要な英語を理解し、適切に使用できる能力が評価の対象となります。このレベルは、高校卒業程度に相当すると位置づけられています。
英検®2級の推奨目安や出題目安について詳しくは、公式ページをご覧ください。
「各級の目安」(公益財団法人 日本英語検定協会)
英検®2級の合格率は公式には非公開ですが、2016年度 第1回実用英語技能検定における高校生の一次試験合格率はおよそ3割、二次試験合格率は8割程度でした。全体の合格率は3割以下と予想され、英検®準2級よりも合格率は低く難易度が高いことがうかがえます。
高校卒業程度の英語力を問われる2級は、高校生にとっても難易度の高い試験です。英語から離れている社会人が勉強なしで挑戦しても、容易には合格できません。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「高校生 1級・準1級・2級の受験者数、および合格率 昨年度同回次より⼤幅アップ!!」
英検®2級の本格的な学習を始める前に、試験内容を押さえておきましょう。2級の試験は、一次試験と二次試験の2段階に分かれています。
それぞれの試験で求められる英語力や出題形式を理解し、適切な学習方法を選択することで、効率的に合格を目指しましょう。
一次試験は、リーディング、ライティング、リスニングの3つの区分から成り立っています。それぞれの区分で求められるスキルと出題形式をチェックしましょう。
リーディングでは、短文や長文の空所補充で会話文・説明文に関する問題が出題されます。長文の内容一致問題では、Eメールや説明文などの実践的な文章も扱われます。
正確な読解力と語彙力が求められるのが特徴です。
ライティングでは、指定されたトピックについて英作文を書く問題が出題されます。2024年度からは、出題数が1題から2題に増加し、従来の意見論述問題に加えて要約問題も課されることになりました。
英語で論理的に文章を構成する能力が求められる区分です。
リスニングでは、会話や短いパッセージの内容理解力が問われます。会話問題では放送された会話の内容に関する質問に答える一致選択問題、文章の一節を問う問題では説明文や物語文の内容に関する質問に答えます。
いずれも放送は1回のみで、音声から必要な情報を的確に捉えるスキルが試される区分といえるでしょう。
二次試験は、一次試験合格者のみが受験できる面接形式のテストです。詳細は下記の通りです。
二次試験のスピーキングテストは、1人の面接委員との個人面接形式で実施されます。応答内容、発音、語彙、文法、語法、情報量、コミュニケーションへの意欲や態度などの観点から総合的に評価されます。
約7分間のテストの流れは下記の通りです。
1.音読
2.パッセージについての質問
3.イラストについての質問
4.カードのトピックについての受験者自身の意見
5.日常生活の事柄などについての受験者自身の意見
実践的な英会話力が問われる重要な試験区分です。
※2024年5月時点の内容です。
英検®2級に合格するには、効率的な学習方法が不可欠です。限られた時間のなかで最大の効果を得るためには、適切な教材選びと学習計画が重要となります。
ここでは、英検®2級合格のために必要な勉強法を、単語・熟語、文法、ライティングなどの6項目に分けて解説します。
中学3年生レベルの英語力から英検®2級を目指す場合、新たに約2,500語の単語を習得する必要があります。
効率的な学習法の例として、複数の参考書や単語帳で学習するのではなく、1冊を繰り返し学習しましょう。その際、未習得の単語にチェックを入れ、集中的に暗記することがポイントです。用例や品詞、派生語も同時に確認することで、記憶に定着しやすくなります。
効果的といわれているのは、音声を聞いたり、発音したり、スペルを書いたりなど、口、耳、手を使った学習方法です。特に熟語は、声に出して読むことで語のつながりを覚えやすくなります。
英検®2級の文法問題に対応するためには、文法をフィーリングではなく文法的に理解しておくことが重要です。
基礎文法に不安がある場合は、英検®3級レベルから学習を始めましょう。苦手な文法事項は英文の構造やルールを意識しながらノートに書き写すことで、理解を深められます。
ライティングやスピーキングの勉強の際に例文を多く読み、文法事項が実際にどのように使われているかを確認するのも大切です。
社会的な話題に日頃から関心をもち、多様な意見を知っておくことも重要です。基本的には、下記の定型のパターンに当てはめて書くことから始めましょう。
1.自分の意見を述べる(賛成か反対か、AかBかなど)
2.理由1
3.理由2
4.結論
この型に沿って繰り返し練習することで、論理的な文章を書く力が身に付きます。
また、ライティング力を向上させるには、英語上級者による添削が効果的です。学校の先生や塾講師など、信頼できる人に文章をチェックしてもらいましょう。
リスニング力を強化するには、専門の教材を活用しましょう。リスニングでは、音声から会話の場面や状況を想像したり、英文全体の流れを掴んだりすることが重要です。
ただし一言一句完璧に聞き取る必要はありません。説明文の場合は、“now”などの時間を表す言葉や“but”などの接続詞に注意し、話の展開を予測しながら聞きましょう。
また、リスニングの勉強法としてはアウトプットが効果的です。具体的には、下記の方法があります。
・シャドーイング:英語音声を聞きながら、即座に復唱する方法
・リピーティング:英語音声を聞き終わった後、同じように発音する方法
・オーバーラッピング:英語音声と同時に発音する方法
音声に集中し、キーワードを押さえながら全体像を捉える練習を重ねることが大切です。
長文に特化した問題集をこなし、まずは長文を読むことに慣れましょう。
準2級と比べ、2級の長文問題は文章が長くなるため、時間配分にも注意してください。文脈を素早く把握するために、英文の構造から理解することが重要です。
説明文のパラグラフ展開や、パラグラフ内の構成についても学習しましょう。「だれが」「どこで」「何を」など、要点を押さえながら文章全体の流れを掴むことが大切です。また、つなぎ言葉(シグナルワーズ、ディスコースマーカー)に着目し、次にどんな内容が続くかを予測する力も養いましょう。
日頃から多様なジャンルの英文に触れ、読解力を高めておくことが重要です。
英検®2級の面接では社会問題が扱われることが多いため、日頃から学んでおくことが大切です。
参考書や問題集を活用し、シャドーイングで発音や表現を身に付けましょう。過去問で練習し、傾向や自分の苦手ポイントを把握することも重要です。
面接で使える単語、熟語、フレーズを集めておくのも効果的です。塾などで面接対策を受け、アティチュード(態度)の対策もしておきましょう。アティチュードとは、面接官と積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢のことで、アイコンタクト、表情、声の抑揚、ジェスチャーなどを使い、コミュニケーションへの意欲を示すことが求められます。
高校生は学校の勉強や部活動で忙しく、英検®2級の勉強時間を確保するのが難しいと感じるかもしれません。しかし、合格のためには効率的な時間管理が不可欠です。
限られた時間のなかで最大限の学習効果を上げるには、勉強時間を確保する工夫を押さえておくことが重要なポイントとなります。
英検®2級合格のためには、試験対策だけでなく効果的なスケジューリングが鍵を握ります。
まずは、毎日確実に確保できる学習時間を見極め、その時間帯に行う学習内容を固定しましょう。例えば、帰宅後は必ずリスニング学習を行う、電車通学の10分間は単語学習に充てるなど、具体的に計画を立てることが大切です。
また、集中的に勉強する期間は、学校行事や定期試験の予定を考慮して設定するようにします。特に期末試験後は、英検®対策に集中できるタイミングとしておすすめです。
学業や部活との両立を図りながら、コツコツと学習を積み重ねましょう。
英検®2級対策では、学習内容に応じて勉強時間や期間を調整しましょう。
例えば、リスニング学習は継続的なトレーニングが必要なため、毎日欠かさず行うことが大切です。一方、単語学習は時間を要するため、長期休暇中に集中して取り組むなどの工夫をしましょう。
英検®2級の合格目標時期も設定した上で、勉強期間を決定します。例えば高校3年生の11月までに合格すれば、大学受験や推薦入試で有利に活用できるでしょう。ただし、大学入試に利用する際は有効期限があるため注意してください。詳しい期限は大学により異なりますが、「2年以内に受験したもの」とされる場合が多くあります。
最短で合格を目指すなら、1日あたり2~3時間の勉強時間が求められます。まずは1日30分程度から始め、徐々に学習時間を増やしていくのも有効です。
英検®2級合格を目指すなら、効率的な学習スケジュールを立てることが重要です。ここでは、一次試験に焦点を当てた3か月間の学習スケジュールの一例を紹介します。
ただし最適な学習スケジュールは、勉強開始時点での英語力や得意・苦手分野によって異なります。本格的な学習に入る前に、まずは過去問を解いて自分の現在の実力を把握してみてください。
過去問の成績と目標スコアとの間に大きく差がある場合は、基礎固めから始めましょう。一方、目標スコアとの乖離が少ない場合は、苦手部分の克服や得意分野の強化など、より特化した戦略を立てるのが効果的です。
これから紹介するのは、基礎固めから始める場合の3か月間の学習スケジュール例です。自分の状況に合わせてアレンジしながら、着実に学習を進めていきましょう。
3か月で英検®2級に合格するためには、まず基礎固めとして単語学習から始めましょう。1日あたり100語程度の単語を見ることを目標に、1か月で単語帳の4~5割を習得することを目指します。
最初の1か月間で語彙力を向上させることで、次のステップでの学習がスムーズに進められるようになるはずです。
2か月目は、引き続き単語学習に取り組みながら、総合的な問題集を解いていきます。
この段階では、単語帳の7割程度を習得することを目標にしましょう。
また、問題集を解くことで、自分の苦手なポイントや重点的に対策すべき範囲が明確になってきます。弱点が見えてきたら、集中的に取り組むことが大切です。
苦手分野を克服することで、全体的な英語力の底上げが可能になります。
3か月目は、予想問題集と過去問演習に集中します。まずは予想問題集で実戦的な問題に慣れつつ、苦手なポイントや重点的に対策すべき範囲を把握しましょう。
その後は過去問に移行し、制限時間を設けて時間配分を調整してみましょう。本番と同じ環境を意識して演習することで、試験当日も落ち着いて対応できるようになります。
また、解答後は必ず解説を活用し、しっかりと答え合わせをしましょう。間違えた問題は再度解くことで、知識がより定着するはずです。
河合塾マナビスの「英語 資格・検定試験対策講座」では、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの解き方から時間配分の指導、実践演習まで幅広く講義を行っています。映像授業なので、部活動や学校行事など自分の予定に合わせて受講スケジュールを組むことができます。
2級対策では「解き方編」「〈演習編〉①」「〈演習編〉②」の3種類の講座を用意しています。英検®の解説や、押さえておくべきポイントを学びつつ、より実践的なトレーニングを積むことが可能です。
自分の状況に合わせて講座を選択し、着実に学習を進めていきましょう。
英検®2級の合格に必要な勉強時間は、英検®準2級までと比べると大きく増加します。しかし、その分総合型選抜や学校推薦型選抜で加点されるなどの優遇措置を受けられるメリットもあります。
合格実績は履歴書に書けるため、就職活動でもアピールポイントになります。
英検®2級の合格を目指すなら、必要な勉強時間を踏まえた上で、効率的な学習計画を立てることが重要です。自分の現在の英語力や目標に合わせて、戦略的に学習を進めましょう。
英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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