英語は高校受験でも大学受験でも重要な科目です。しかし英語に苦手意識を持つ中学生は多く「なかなか点数が伸びない」と悩む生徒も多いようです。英語は高校に進むと中学で学習した内容をもとに、さらに難易度が上がります。そのため中3生のうちに、中学で学習した単元や文法など、英語の基本をマスターしておくことが重要です。この記事では、中3生がおさえておくべき英語学習のポイントをご紹介します。
中学で学習する内容は英語の基礎です。学年が上がるごとに、覚えるべき単語数が増え、文法などの難易度も上がっていきます。高校受験、さらに大学受験まで見据えると、中3生のうちに英語の土台を作っておくことが不可欠です。
高校では中学で学習した内容を前提に、より複雑な単語や文法を使った読解やライティングの勉強が始まります。また授業のスピードも中学より速くなるため、中学英語の理解が不十分な状態では、高校英語についていけなくなることも。中3生のうちに、中学で学習した範囲をマスターできているかを確認し、足りない部分は補強しておきましょう。
大学受験でも、文系・理系にかかわらず英語を入試の必須科目とする大学が多くあります。長文読解(リーディング)や英作文(ライティング)、リスニング問題など大学によって出題形式や問題の傾向はさまざまです。ゆくゆくは大学入試の問題に対応する力をつけるためにも、早い段階で英語の基礎をしっかり固めておきましょう。
ここからは中3生がおさえておくべき中学英語の重要ポイントを厳選してご紹介します。まずは動詞の基礎をおさらいしていきましょう。
be動詞は中学で学習する基礎的な動詞です。主語や時制によって変化し、原型のbe、現在形のis、am、are、過去形のwas、were、過去分詞のbeenがあります。
be動詞の意味や役割、変化、文法のルールをおさえ、肯定文や否定文、疑問文、過去形、受動態、完了形などさまざまな文章で使い分けられるようにしましょう。
be動詞以外の動詞は一般動詞に分類されます。一般動詞は、come(来る)、do(する)など主語の行動を表すものと、have(持っている・飼っている)、like(好きである)など主語の状態を表すものがあります。
一般動詞も主語や時制により変化し、文法のルールがあります。ここで中学生がつまずきやすいのが、主語が三人称・単数、かつ動詞が現在形である、いわゆる「三単現」です。
三単現の場合、肯定文では一般動詞の語尾に-sまたは-esが付き、否定文では「does not+動詞原形」となります。また疑問文では「文頭にDoes、 動詞原形、文末に“?”」となります。
(例文)
He drives a car.(肯定文)
He does not drive a car. (否定文)
Does he drive a car?(疑問文)
まずは例文を読むなどして一人称/二人称/三人称、単数/複数で動詞がどのように変化するかを理解することが大切です。さらに問題を繰り返し解くことで、体になじませていきましょう。
can、will、may、must、shouldなどの助動詞も、テストによく出る重要な単語です。助動詞とは「動詞を助ける」言葉で、動詞の意味を少し変化させます。そのため、日本語訳も多岐に渡り、用法、文法ルールなど覚えることが多いため、中学生がつまずきやすいポイントです。たくさんのパターンがありますが、各助動詞の基本的な意味を理解し、使いこなせるようにしておきましょう。
現在形や過去形、未来形、現在進行形、過去進行形などを用いた時制の表現も中学英語における重要事項です。それぞれの違いやルール、文法を確認しておきましょう。
「(主語)は〜した」という過去の行動や「(主語)が~だった」という過去の状態を表現する場合、動詞を過去形にします。動詞の変化のルールはbe動詞、一般動詞で異なり、さらに一般動詞では規則動詞と不規則動詞があります。それぞれのパターンをしっかり覚えましょう。
be動詞の過去形
現在形:am/is→過去形:was
現在形:are→過去形:were
一般動詞の過去形
規則動詞
・通常:語尾に-edをつける(例:talk→talked、play→played)
・-eで終わる動詞:語尾に-dをつける(例:live→ lived、use→used)
・子音+yで終わる動詞:yをiに変えて語尾に-edをつける(例:study→ studied、try→tried)
・1短母音+1子音で終わる動詞:語末の子音字を重ねて語尾に-edをつける(stop→stopped)
不規則動詞
(例)go→went、say→said、speak→spoke、teach→taught、take→took、come→came、write→wroteなど
(例文)
He was in China last year.
We watched TV in class today.
We swam in the ocean last summer.
未来形も中学で学習する重要な表現のひとつです。これから先にしようとしていることや、これから起こるであろうことなど、未来のことを英語で表現するときは「will+動詞の原形」や「be going to+動詞の原形」の表現を使います。
肯定文のほかにも否定文や疑問文の表現も覚えておきましょう。
(例文)
It will be fine tomorrow.
I will take that yellow shirt.
We are going to play basketball after school.
「(今)〜している、〜が起きている」という、まさに今、この瞬間に起きていることを言うときは、現在進行形で表現します。英語では「am(are/is)+動詞の-ing形」で表します。
中学生が戸惑うことが多いのが現在形と現在進行形の違いです。現在形も現在進行形も、時制は「現在」ですが、それぞれで意味が異なります。教科書や問題集の例文と解説を読むなどして、この違いをしっかり理解しておくことが大事です。
また、現在進行形を過去時制にしたものが過去進行形です。「was(were)+動詞の-ing形」で表し、「(そのとき)…していた」と訳します。
(例文)
My mother is talking on the phone.
Hideki was kicking a ball.
They were working on the computer.
関係代名詞のwho、which、thatは難しいと感じる生徒が多く、中学英語の中でもつまずきやすい単元のひとつです。
関係代名詞は、「名詞」と「名詞を修飾するためのまとまり」を結びつけるものです。関係代名詞は3種類あり、修飾される名詞が文中で主語の場合は「主格」、文中で目的語の場合は「目的格」、所有の働きをする「所有格」に分けられます。このうち、中学では主格のwho、which、that、目的格のthat,whichを学習します。高校ではさらにレベルアップした内容が出てくるため、中3生のうちに基礎を固めておきましょう。
関係代名詞のwhoは、人について説明するときに使います。すなわち、名詞(先行詞)が人である場合、人(名詞)とその人の説明をする英文を、whoを使ってつなげます。
例えば、以下の2つの文章を、関係代名詞whoを使って1つの文章にしてみます。
I have a father.(私には父がいます。)
He speaks Japanese.(彼は日本語を話します。)
↓
I have a father who speaks Japanese.(私には日本語を話す父がいます。)
この場合、名詞(先行詞)はa fatherで人なので関係代名詞はwhoを使い、whoの後にその人の説明をつなげます。 whoには主格と目的格がありますが、ここでの使い方は主格です。このような関係代名詞のルールを理解し、使いこなせるようにしましょう。
名詞(先行詞)が人の場合の関係代名詞はwhoを使いますが、人以外の場合にはwhichを使います。主格と目的格、それぞれの使い方を覚えましょう。目的格の関係代名詞は省略することもできます。
(例文)
I like a cat which has long hair.(私は長い毛の猫が好きです。):主格
This is a pen which I bought yesterday. (これは私が昨日買ったペンです。):目的格
This is the mountain I climbed last year. (これは私が昨年登った山です。):目的格
またどんな名詞にも使える関係代名詞がthatです。who、whichと合わせて学習しましょう。
(例文)
Yuki bought a doll that had large, beautiful eyes. (ユキは大きくてきれいな目をした人形を買った。)
Is that the man that was in the park yesterday?(あの男性は昨日公園にいた人ですか?)
苦手を克服した上で高校英語に進もう
中学で学ぶ英語の内容は高校受験はもちろん、その後の英語学習の基礎となる重要な内容ばかりです。さまざまな単語、文法を覚えることで、読める文章、書ける文章の幅が広がり、成績アップが期待できます。中3生のうちに苦手分野は補強し、高校受験、高校英語へと進みましょう。
Photo / Getty Images