大学受験を目指す上で、塾や予備校に通う人が多くいると言われています。しかし、塾の種類やレベルも様々。最近はオンライン塾などもあり、選択肢が広がっています。中には塾に全く通わずに大学入試に合格したという人もいるため、塾って行く必要あるの?という疑問を持つ人もいるでしょう。 今回は大学受験という点から見た塾の疑問を解決していきます。
大学受験を考えた時に、塾や予備校に行くという選択肢を持つ人は多いでしょう。高校受験でも通塾を経験する人は多いため、受験のために塾に通うという選択は、自然な流れと言えます。しかし、最近では、塾に通わずに大学に合格したことをブログやSNSなどで発信する人もいるため、「本当に塾って必要なの?」と感じる人もいるかと思います。
受験を経験した方の中には塾に行っても意味がない、無駄だったという声も聞かれます。これらの声を発する人達はなぜそう感じたのでしょうか?
①塾の活用が上手くできていなかった
例えば、現在の学力と塾のレベルが合っていなかった可能性があります。塾や予備校と言っても、レベルはさまざまです。特に、集団塾の場合は自分と合わないレベルのクラスを選択してしまった場合、授業の内容についていけず、負担に感じるだけで終わることがあるからです。
②指導方法が本人の性格にあっていなかった
例えば講義主流の教え方でも知識をどんどんインプットできるタイプの人の場合は集団塾で一斉に授業を受けるスタイルでも問題ないと思います。しかし、躓いたところをその都度教えてもらう方が理解が進むというタイプの人が講義形式の塾を選択すると、結局理解が進まずに、時間の無駄だと感じることも少なくありません。
③部活に力を入れていて、塾の時には体力が残っていない
部活動を頑張りすぎて、その後に塾に来ても、疲れていて授業に集中できず、ただ座っているだけになってしまった、といったケースもあります。
いずれにしても、自分に合った塾の使い方ができていなかった人が、その意味を見いだせていない場合がほとんどです。
塾や予備校は負担を増やすために行くのではなく、効率的に勉強を進めるために通う所です。せっかくお金を払って通うのですから、意味あるものとなるように、塾や予備校を選ばなくてはいけません。
公立高校は文部科学省の学習指導要領に沿ったカリキュラムを組むのに対して、私立高校は進学校か否かに関わらず、独自のカリキュラムを設定しているところが多くあります。
私立高校は公立高校よりもプラスアルファのカリキュラムが組まれることが多く、それに加えて塾に通うとなると、本人にとって負担となってしまう可能性もあります。
そんな状況の中で、私立高校生が塾に通う必要はあるのでしょうか?
例えば中高一貫校のように、そもそも授業の進度が速い学校の場合、生徒によっては授業や講習についていけない、ついていくのが大変という状況もあります。そういった場合は、塾などを活用し、授業のサポートをするというのも一つの手になります。
公立・私立を問わず、自分の学習レベルや環境、性格なども把握して、それに合った塾を選ぶことが大切です。上手く塾を活用することができれば、大学合格に近づくのは間違いありません。
ここでは、自分に合った塾の選び方をお伝えします。
自分に合った塾を選ぶためには、まずは生活スタイルを考えてみましょう。週に何回、何時間まで塾に通えるのかなどは人によって違います。
例えば、部活をやっている、習い事をやっているなど、学校の授業以外にも様々な活動をしている人は、スケジュールの組み立てが難しいと感じるのではないでしょうか。
部活に力を入れている人は、毎日のように活動がある人も少なくないでしょう。放課後の遅い時間まで部活をやっていると、その後に塾に通うのは体力的にもハードです。
部活などで忙しい人におすすめなのは、やはり映像授業です。リアルタイム配信ではなく、収録タイプの場合、再生ボタンを押したタイミングで授業が始まるので、授業の開始時間を気にする必要がありません。また、スマホやタブレットなどでも授業を視聴することができる場合もあるため、通学などのすきま時間を活用して学習を進めることができます。
映像授業は繰り返し受講することができる場合があります。学習内容の理解に不安のある人は、映像授業を繰り返し視聴、理解を深めるとともに、個別指導のサポートがある塾を選ぶと良いでしょう。
もちろん、映像授業ではなく対面のライブ授業が合う人もいるので、自分の勉強スタイルを確認することも忘れずに。自分にマッチする塾を選択していきましょう。
ところで、実際にどこに通うかを検討するときに塾と予備校の違いを意識したことはあるでしょうか?
実際の呼称は様々ですが、授業スタイルや費用など、一般的な違いを見ていきましょう。
一般的な予備校の特徴は、講師が一方的に授業を行う講義型で、生徒も大人数であることが多いです。講義中に生徒から質問をすることは少なく、用意されたテキストを元に、基本的に生徒は授業を聞いてノートをとります。大学受験のための講義が中心となるため、自分の志望校やレベルにあった講義を自ら選ぶ必要があります。塾でも集団塾は講義型であることが多く、また、個別指導のカリキュラムがある予備校もあります。
一方で、塾は大きく分けて、生徒複数に対して講師1人が授業をする講義型の塾と、講師と生徒が1対1または、1対2~5人程度の少人数で授業を行う個別指導型の塾に分けられます。
その中でも、個人の理解度に沿って勉強を進められるのは個別指導型の塾です。講師1人に対して、生徒1人または少人数で授業を行うため、1人ひとりの学力レベルに合わせて、丁寧に指導をしてくれます。その分、時間当たりの料金は予備校や通常の集団授業の塾と比較して高くなりますが、ピンポイントで無駄なく学力を伸ばしたい人にはお勧めの方法とも言えます。
映像授業とは、多くの場合、予め録画された授業をパソコンやスマホ、タブレットなどのデバイスを通して視聴します。時間を選ばすに受講できるのが大きな利点です。
映像授業のメリットは、「映像」の特性を生かし、板書を取るために一時停止をしたり、もう一度見たい部分を繰り返して見られることでしょう。理解度に合わせて、自分のペースで受講できるため、授業の理解が深まります。
しかし、デメリットもあります。リアルの対面授業と比較して緊張感が保ちにくく、集中力が切れることも。また、理解しきれない部分をその場で講師に質問することができないため、見ただけで終ってしまう、ということも起こりえます。
最近は映像授業のデメリットをカバーできる塾も出てきています。映像授業のメリットを活かしつつ、スタッフによる授業後のフォロー、学習計画や受験戦略のアドバイスなどを行ってくれます。
映像授業に加えて、スタッフによるフォローが充実している塾は、映像授業のデメリットを解消しているともいえそうです。
映像授業で自分の時間やペースに合わせて学習を進めつつ、理解が足りない部分をスタッフに質問したり、アドバイスをもらったりすることで、理解を深めるだけでなく、モチベーションも保てるからです。
塾を選ぶときは、なんのために塾に通うのかをよく考えて、自分に合った勉強スタイルとマッチする塾を選ぶことが大切です。
塾を味方に大学受験を乗り切ろう
今回は大学受験を見据えた塾の活用方法や選び方などをお伝えしました。まずは大学受験に向けて、学校の授業をしっかりと理解して、さらに学力を積み上げるために塾を有効活用しましょう。
自分の生活習慣や勉強スタイルを踏まえ、あなたにとって一番効果的な指導をしてくれる塾を味方にすることができれば、塾は大学受験の強い助っ人になります。大学合格というゴールに向けて、自分に合った塾選びを始めましょう。
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