大学入試では受験する大学や学部・学科、選抜方法によって、受験科目が異なります。そのため、自分が受験を予定している大学や学部・学科、選抜方法を確認し、受験に必要な科目を把握した上で対策を進めていくことが重要です。この記事では、多くの受験生が受験する一般選抜における受験科目の情報をご紹介します。
※本記事は2023年度時点での情報を元に作成しています。詳しい情報は各大学の募集要項や受験案内をご確認ください。
一般選抜での受験科目について知る前に、大学入試の種類を簡単におさらいしておきましょう。大学入試には大きく分けて、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜の3種類です。
一般選抜は、主に学力試験で選抜される入試制度です。実施時期は1月〜3月頃です。
ほとんどの国公立大学では、一次で大学入試共通テスト、二次で各大学の個別試験が課されます。一般的に、前期、後(中)期で各1大学ずつ受験することができます。
私立大学では、大学独自の個別試験のみで合否判定する一般方式、共通テストのみまたは共通テストと個別試験を併用する共通テスト利用方式などがあります。
総合型選抜(旧:AO入試)は、アドミッションポリシー(大学が求める学生像)を満たした学生の入学を許可する入試制度。実施時期は9月〜12月頃です。
受験生の適性、志望動機を重視した入試制度で、大学によってさまざまですが、一次で書類審査、二次で小論文や面接を中心とした選抜が行われることが多いです。国公立大学では共通テストを課す大学もあります。
参考:総合型選抜(旧AO入試)とはいったいどんな入試なの?増える年内入試を解説
学校推薦型選抜(旧:推薦入試)は、受験生が所属する高校などの学校長の推薦を受けることにより受験が可能になる入試制度です。実施時期は11月〜2月頃です。
試験内容は、一次で志望理由書などの書類審査、二次で小論文や面接が中心です。大学によっては基礎学力試験などが課される場合もあります。
参考:大学の指定校推薦とは?推薦を受ける基準は?推薦入試の種類を解説
大学入試の種類を把握したところで、ここからは多くの受験生が受験する一般選抜の受験科目を見ていきます。
まずは国公立大学の受験科目です。国公立大学の一般選抜では共通テストと大学が実施する個別試験が課されます。
共通テストでは、国立大学では原則5教科7科目が必須、公立大学では3〜4教科で受験できる大学もありますが、半数以上は5教科が必須となっています。
なお、初めての新課程入試となる2025年度入試の共通テストから、国立大学の受験科目に新教科の「情報」が加わり、今までの5教科7科目から原則6教科8科目になります。
※一部の大学では「情報」を選択科目にする場合もあります。
共通テスト 文系学部の受験科目(6教科8科目)
・外国語(基本は英語)
・数学2科目(基本は数学Ⅰ・A/数学Ⅱ・B・C)
・国語
・情報(情報Ⅰ)
・理科
・地歴・公民から2科目
が一般的です。
※大学・学部によって異なります。特定の科目を必須とするケースもあり、さまざまな選択パターンがあるため注意してください。
各大学の個別学力検査(二次試験)文系学部の受験科目
外国語(基本は英語)、国語、数学、地歴・公民から1〜3教科が基本です。
※東大、京大など一部難関大学では4教科を課すところもあります。
共通テスト 理系学部の受験科目(6教科8科目)
・外国語(基本は英語)
・数学2科目(数学Ⅰ・A/数学Ⅱ・B・C)
・国語
・情報(情報Ⅰ)
・理科(物理/化学/生物/地学)から2科目
・地歴・公民
が一般的です。
※大学・学部によって異なります。特定の科目を必須とするケースもあり、さまざまな選択パターンがあるため注意してください。
各大学の個別学力検査(二次試験)理系学部の受験科目
外国語(英語)、数学(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ・C)、理科から2〜3教科が基本です。
※東大、京大など一部難関大学では4教科を課すところもあります
私立大学の入試には大きく分けて、大学独自の試験のみが課される一般方式と、共通テストを利用する共通テスト利用方式があります。
さらに共通テスト利用方式には、共通テストのみで合否が出される単独型と、共通テストに加え大学独自の個別試験で合否が出される併用型があります。
私立大学における一般選抜の受験科目を見ていきましょう。
私立大学文系学部の受験科目は、一般方式も共通テスト利用方式も2〜3教科が一般的です。大学・学部によって必須科目が設定されているなど色々なパターンがあるため、各大学から発表される情報を必ず確認しましょう。
一般方式
私立文系の一般方式における受験科目は大学ごとに異なりますが、一般的に2〜3教科です。文系学部の場合、例えば外国語(基本は英語)、国語、地歴・公民から1科目などです。
大学独自の個別試験が課されるため、入試問題の出題傾向も各大学によってさまざまです。
共通テスト利用方式
共通テスト利用方式も一般方式と同じ2〜3教科が一般的です。例えば外国語(基本は英語)、国語、地歴・公民から1科目などです。
私立理系の一般選抜における受験科目は、一般方式も共通テスト利用方式も2〜3教科が一般的です。
ただし、大学によって異なりますので、必ず自分が志望する大学・学部の受験科目を確認し、科目選択しましょう。
一般方式
私立理系の一般方式における入試科目は大学ごとに異なりますが、一般的に2〜3教科です。例えば外国語(基本は英語)、数学Ⅲ、理科から1科目などです。
共通テスト利用方式
共通テスト利用方式も一般方式と同じ2〜3教科が一般的です。例えば外国語、数学、理科から1科目などです。
入試方式と受験科目をチェックして、必要な科目を選択しよう
大学入試の一般選抜における受験科目は、国公立大学では2025年度入試より原則6教科8科目、私立大学では2〜3教科が一般的です。大学や学部によって必須科目や選択パターンが異なるため注意が必要。自分が受験する可能性のある大学、学部の受験科目を全て確認し、どの大学・学部を併願するかも検討した上で、必要な科目の受験対策をしていきましょう。
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