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リスニングの勉強方法は?苦手に合わせた学習法や参考書の選び方を解説

リスニングの勉強方法は?苦手に合わせた学習法や参考書の選び方を解説

英語のリスニングは、多くの高校生が苦手とする分野のひとつです。成績が伸び悩んでいたら、勉強方法の見直しを検討しましょう。

この記事では、リスニングが苦手な高校生に合わせた学習法や参考書の選び方についてご紹介します。

目次

    リスニングの基本的な勉強法

    英語の文法は得意でも、リスニングが苦手だとテストの点数が思うように伸びないことがあります。まずは、リスニングの基本的な勉強法についてみていきましょう。

    母音・子音の発音練習

    母音と子音の発音練習をすることで、英語の音を正確に聞き分ける力がつきます。

    英語の母音や子音には日本語にない音も含まれるため、正しく聞き取れないことがあります。母音とは日本語の「あいうえお」に該当する音です。日本語では5つしかありませんが、英語の場合は約15個の母音があるといわれています。それ以外の音は子音に分類されます。

    例えば、母音では「a(ア)」や「e(エ)」と似た「/æ/」や、子音では「sと/ʃ/(sh)」「/ð/(th)とz」などが聞き間違えやすいポイントです。

    英語ならではの発音を理解すると、自然とリスニングの力が身に付きます。

    発音練習の際は、下記のポイントを意識しましょう。

    【母音の例】
    ・/æ/:「ア」と「エ」の間の音。「ア」の音を出すのと同じように口を開きながら、「エ」というイメージで行う。
    ・/e/:「エ」と発音するように口を横に開き、舌は少し持ち上げるイメージで行う。
    ・/i/:「イ」より口を横に開き、脱力しながら「イ」の音を出す。
    ・/ɑ/:口を縦に大きく開き、唇を丸めずに「オ」「ア」のように発音する。
    ・ /ʌ/:口を半開きにして「ア」と短く発音する。

    【子音の例】
    ・「sとsh」の違い
    /s/:歯の間から空気を出すように「ス」と発音する。
    /ʃ/(sh):「し」の口のまま、口を丸めて強めに息を出す。

    ・「bとv」の違い
    /b/:「ば行」を発音するように、唇を閉じて息を止めてから一気に声を出す。
    /v/:上の前歯の先を下唇に軽く乗せながら発音する。

    このように、英語の母音や子音は、口の開け方や舌の位置などを調整しながら発音するのがポイントです。

    精聴

    精聴とは、英語の音声を聞き流しするのではなく、意味を確認しながら一文ずつ丁寧に聞き取るトレーニング方法のことです。途中で聞き取れなかった部分を調べたり、聞き返したりすることで、自分のリスニングにおける課題を把握することができます。

    精聴は「量」よりも「質」が重要な勉強方法です。たくさんの英語音声を聞く「多聴」や、内容をイメージせずに耳に入れる「聞き流し」のような勉強法ではなく、じっくりと英語に向き合い、確実に知識を習得することがポイントです。

    どの音や単語が聞き取れないのか、なぜ聞き取れないのかを詳しく分析して、自分の弱点を見つけてみましょう。

    ディクテーション

    ディクテーションとは、英語の音声を聞き取りながら正確に文字を書き出すトレーニング方法です。英語の音と単語を結びつける力が鍛えられるため、聞き取りにくい部分の克服につながります。

    簡単な単語や文章でも、ネイティブが話す音声を聞くと、意味が理解できなくなるという高校生は多くいます。その場合に有効な方法がディクテーションです。

    また、文脈をとらえながら英文を聞く癖がつくため、リーディングの勉強にもつながります。

    具体的には、音声を1文ずつ止めながら、聞き取れた箇所を書き取っていきます。聞き取れない単語が出てきたら、繰り返し聞いてチャレンジしましょう。わからない単語やスペルがあれば、カタカナで書いても問題ありません。

    すべてが終わったら、実際のスクリプトを見ながら答え合わせをして、聞き取れなかった部分を確認し、間違えた箇所を修正します。この際、何が原因で聞き取れなかったのかもあわせて分析しましょう。

    慣れてきたら、英文の意味や文脈を意識しながら聞くトレーニングをするのもおすすめです。自分の間違いに気づいたり、聞き取れなかった部分を予測できるようになったりします。

    音読

    音読は、英語の音声を聞いた後に、真似しながら発音するトレーニング方法のことです。聞いた英文を自分の声で正確に再現するには、聞き取ることに集中しなければなりません。英語の発音やアクセント、リズムなどをよく聞き、何度も音読を繰り返すことで、英文を正しく理解する力が身に付きます。

    まずは、スクリプト(英文)を見ずに1文ずつ音声を聞いて、発音しましょう。イントネーションや発音の強弱をとらえながら、同じように声に出すのがポイントです。慣れてきたら、2文、3文と増やしていくことで上達していきます。

    オーバーラッピング

    オーバーラッピングとは、英語のスクリプトを目視で確認しながら、音声と同時に声を出して読むトレーニング方法のことです。自分の発音とネイティブの発音の違いを認識しやすくなり、正しい発音や英語特有の抑揚、リズムを身に付けられます。

    音声のリズムやスピード、発音の強弱をできる限り真似して発声することがポイントです。最初は声を出さず、口だけ動かして正しい発音を確認するのもおすすめです。

    単語の意味だけでなく、発音と使い方を正確に理解できれば、聞き取れる単語の数も増え、リスニング力も高まります。

    シャドーイング

    シャドーイングとは、スクリプトを見ずに、英語の音声を聞きながら追うように発声するトレーニング方法です。オーバーラッピングに慣れてきたら、シャドーイングに移りましょう。話す力と聞く力、発音力の3つのスキルを同時に鍛えられるため、英語の基礎学力を高めるのにも向いています。

    シャドーイングのやり方は、主に下記の2つがあります。

    ・プロソディー・シャドーイング

    聞こえた音声のリズムやイントネーション、発音の強弱の通りに復唱する方法です。発音の矯正に役立ちます。

    ・コンテンツ・シャドーイング

    英文の意味や文脈を理解することを重視して復唱する方法です。英文を日本語に変換せず、そのままニュアンスをつかむトレーニングです。

    苦手に合わせたリスニングの効果的な勉強法

    リスニング力を身に付けるには、自分の苦手を把握することが大切です。音がうまく聞き取れない、文法の理解が追いつかない、音声のスピードが速くてついていけないなど、つまずいている部分を明確にして効率よく学びましょう。

    ここでは、リスニングが苦手な方に多い要因と、それに向けた一般的におすすめされている勉強方法についてご紹介します。

    聞き取れない音がある方向けの勉強法

    英語の発音は日本語と大きく異なり、アクセントやイントネーション、リエゾン(特定の条件下で音が連結、脱落するルールのこと)など、複雑な要素から構成されています。これらを意識せずに学習していると、聞き取ることが難しくなってしまいます。

    特に、リエゾンは、学校で学ぶ機会が少ないため、自ら学んでリスニング力のスキルを高める必要があります。

    リスニングをしていて聞き取れない音がある場合は、下記の勉強方法を試してみましょう。

    ・ディクテーション
    ・音読
    ・オーバーラッピング
    ・シャドーイング

    正しい発音で話せるようになると、今まで気づけなかった音の違いを認識できるようになります。また、聞き取れない音を特定するのにも役立ちます。

    英単語・英文法が理解しきれていない方向けの勉強法

    英文を正しく理解するには、土台となる英単語や英文法の知識が欠かせません。

    日本語でも、知らない言葉が多ければ文章が読みにくいのと一緒です。基礎固めをしておくと、リスニングの苦手意識を克服しやすくなります。現在の英語力に合った教材を選び、単語や文法の基礎を学びましょう。

    また、問題を解いた後は、必ず英文と解説を見直すことが大切です。何度も読んだり聞き直したりすることで、自然とリスニング力向上が期待できます。

    なお、英単語や英文法は自分の学習タイプに合わせた方法で覚えるのがコツです。例えば、見て覚えるタイプの方は一般的な単語帳を、聞いて覚えるタイプの方はCD付きの単語帳を選びましょう。動いて覚えるタイプなら、洋画のDVDを真似しながら覚えるのもひとつの方法です。

    自分にとって最も記憶しやすい方法を見つけてみてください。

    音声のスピードについていけない方向けの勉強法

    音声スピードが速くなると英語が聞き取れなくなるケースもあります。英語を聞いて日本語に変換しようとしてしまうことが理由のひとつです。

    英語と日本語は文法の構造が異なるため、すべての会話を日本語の文法に直してから理解しようとすると、意味を理解するまでに時間がかかります。その間に音声が進んでいってしまうので、途中から意味がわからなくなってしまうのです。

    音声のスピードについていけない場合は、英語を英語のまま理解する習慣を身に付けましょう。英語の文脈のままで理解するトレーニングをすることが大切です。

    英語の音を聞きながら、その意味を直接理解できるよう「聞き読み」したり、コンテンツ・シャドーイングをしたりするのが効果的です。

    リスニングの勉強におすすめの参考書・問題集の選び方

    リスニング力を鍛えるためには、学校の授業だけでは習得するのが難しいため、参考書や問題集でしっかりと学ぶことが大切です。

    ここでは、自分に合った教材を選ぶポイントをご紹介します。

    自分の学力に合わせて選ぶ

    リスニングの教材を選ぶときは、自分の英語力に合わせて選ぶことがポイントです。記載されている英語をスムーズに理解できないと、単語や表現の意味をいちから調べなければならないからです。最初は、ある程度聞き取れる教材を選び、徐々に難易度を上げていきましょう。

    なかには、音声の速度が調整できるものもあるため、学習ペースに合わせて選択するのもひとつの方法です。

    受験生であれば、共通テストや二次試験対策の教材、過去問を選んでも問題ありません。頻出問題を中心に繰り返し学習するほうが効率的です。

    上達に役立つ情報が豊富なものを選ぶ

    教材を選ぶときは、英語の文法や単語、発音など、総合的に学べるかどうかをチェックしましょう。リスニング力を高めるためには、聞くだけでなく英語を正しく理解する必要があります。

    スクリプトやトランスクリプト(音声を文字起こししたもの)が付いているかどうか、購入前に確認することも大切です。英語が聞き取れなかったとしても、スクリプトがあればわからない部分と照らし合わせて学習できます。

    スクリプトを読み込んでからリスニングを行うと、より理解しやすくなるでしょう。リスニング力が身に付けば、テキストを見ずに音声だけで聞き取れるようになります。

    持ち運びに適したものを選ぶ

    時間を有効活用したい方は、音声のダウンロードが可能なCD付き教材や、学習アプリ、ポッドキャストなどを選ぶと、移動時間やスキマ時間に学習することができます。ポッドキャストはネット上で配信される音声コンテンツを再生・ダウンロードできる仕組みで、ダウンロードすればオフラインでも再生可能です。

    また、教材を選ぶときは、音声を吹き込んでいる方の出身国や音声が流れるスピードもチェックしておきましょう。アメリカ英語とイギリス英語では、言い回しや発音が異なるため、目的に応じて選択するのが賢明です。

    共通テストでは、広く使われているアメリカ英語のほかに、イギリス英語が使用される場合もあります。そのため、どちらのネイティブスピーカーの音声を聞いても対応できるように、幅広く学んでおくと安心です。

    リスニングの基礎から応用まで学べる「河合塾マナビス」

    リスニングが苦手な方のなかには、「問題の意図が読み取れない」「時間内に問題が解けない」など、不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。さまざまな勉強方法があっても、自分に合っているのか気になる方もいるでしょう。

    万全な状態で入試に臨みたいなら、河合塾マナビスをご検討ください。河合塾マナビスでは、英語のリスニングだけでなく、英文法・語法、英文読解・解釈など、土台から固めるカリキュラムを組んでおりますので、英語力を総合的に高めることができます。志望校に特化した対策も可能です。

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    自分のペースで取り組めるため、部活や学校の課題との両立が難しいといったお悩みも解決できます。

    「リスニングに自信がない」「語学力を強化したい」などリスニング学習にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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    まとめ

    リスニング力を高めるには、単語や文法の理解だけでなく、英語を英語のまま理解する思考を身に付けることが大切です。英語ならではの言い回しやイントネーション、リズムなどがあるため、発音しながら覚えていくと効率よく学習できます。

    英語の学習範囲は広く、独力で学習するのは難しいと感じることもあるかもしれません。英語力を総合的に学べる予備校や塾などもあるため、検討してみてはいかがでしょうか。