「高校の数学が難しい」「勉強のしかたが分からない」という高校生は多いです。何とか少しでも点数を上げたいけれど、なかなか数学の勉強が進まないという悩みはありませんか。 数学はひとつひとつの積み上げが大切。基礎からコツコツ積み上げていけば点数を伸ばしていくことができる教科です。 この記事では、数学の勉強法に迷う高1生に向けて、高1の数学の勉強をどう進めたらよいか、大学受験も見据えた勉強法のポイントについてご紹介します。
高1生が習う数学Ⅰと数学A。中学に比べて「難しい」と感じる人も多くいます。
高校の数学は、中学の数学が基礎となり、さらに難易度がアップします。高1で習う数学ⅠAでは中学より複雑になった「場合分け」や「証明」、新しい公式や計算方法がたくさん出てきます。また勉強する範囲も広く、授業は中学より速いペースで進みます。
そのため、多くの人が戸惑い、高校の数学が「難しい」と感じるのです。
高1で習う数学は中学で習った数学が基礎になります。また高2で習う数学ⅡBでは、数学ⅠAでやったことが基礎となり、さらに発展していくものも多くあります。
数学は「分かる」をひとつひとつ積み上げていくことで、次の「分かる」に繋がる教科。基礎を理解していないと、どんどん分からなくなります。
この「分からない」ループにはまらないためには、自分がつまずいているところを把握し、基礎から見直すことが大切です。
では、どのように数学の勉強を進めていくか、具体的に見ていきましょう。
数学ⅠAの中でもさまざまな分野があります。自分が比較的得意な分野、苦手な分野をまずは整理してみましょう。
「一から順番にとにかくやる!」などやみくもに勉強するのは非効率。自分の得意と苦手を知ることで、勉強が進めやすくなります。
教科書や問題集の目次を利用して、自分の得意な単元、苦手な単元、得意でも苦手でもない単元の3種類に仕分けてみましょう。そうすることで、自分の得意と苦手を認識することができます。
さらに、解き方のどこでどう間違えたか、自分のミスのパターンの分析もできるとよいですね。しかし実際には自分だけで行うのはなかなか難しいので、先生や塾の講師にアドバイスしてもらいましょう。
得意と苦手が分かったら、実際にどこから勉強を始めるのがよいのでしょうか。高1生が勉強する数学ⅠAではさまざまな単元がありますが、優先順位の高い単元から着手していくのがおすすめです。
特に優先して勉強を進めておきたい単元について、ポイントをご紹介しますので参考にしてみてください。高2で学ぶⅡBについてもご紹介します。
■数学ⅠA
①数と式
高校数学の基礎となる、重要な単元です。計算のルールを学ぶ単元なので、基礎問題を繰り返し解いて、慣れていきましょう。この単元の内容が理解できていないと、この先の数ⅡBでもついていけなくなる可能性が高いです。
特に因数分解と展開、実数、不等式(一次、二次)、絶対値は必ず網羅しましょう。
②二次関数
中学校も二次関数(放物線)が出てきましたが、高校ではさらに発展させた内容が出てきます。高校の数学では、まずここでつまずく人が多いです。
xとyの関係、グラフ、軸と頂点など大事なポイントをしっかり押さえましょう。関数は方程式や不等式とも深く関係しています。
③図形と計量/データの分析/場合の数と確率/図形の性質/数学と人間の活動
数と式、二次関数の基礎ができてきたら、他の単元にも取り組みましょう。数学ⅡBに関連してくる単元もあるので、高1のうちにしっかり基礎固めをしておきましょう。
■数学ⅡB
数学ⅡBでは、数学IAよりもさらに複雑に、計算量も多くなります。
①いろいろな式
数学Ⅰの「数と式」でやった内容を基礎に展開されていきます。また、ⅡBの他の単元の基礎となる内容も含まれています。
②図形と方程式/三角関数/指数関数・対数関数/微分と積分の考え/数列/統計的な推測/数学と社会生活
新たに学ぶ数学の概念が多く出てきます。数IAの「数と式」「二次関数」「図形と計量」の基礎を理解しておくことが必要です。
自分の得意と苦手、また数学ⅠA・ⅡBの単元ごとの優先度を理解することで、何をどのように勉強すべきかが見えてきたと思います。
次に、数学の勉強を効果的に行うためのポイントをご紹介します。
数学だけでなく全部の教科についての1週間の勉強計画を立て、数学の勉強に割り当てる時間を決めます。
スケジュールが決まったら、1週間のタスク(数学Aの問題集の●ページ〜●ページなど)を決めて取り組みましょう。
高校の数学の勉強でまず大切なのは「基礎を固める」こと。まずは基礎レベルの問題をしっかりできるようにしておきましょう。
教科書やノート、問題集の例題の解説を読み、基礎問題を解きます。何度も繰り返し解くことで理解度が高まり、少しずつ解ける問題が多くなっていきます。
授業の前に、自分が「分かるところ」と「分からないところ」が何かをはっきりさせるのが「予習」。予習をしておくことで、自分の分からないところを授業で重点的に聞くことができます。
授業を受けた後には「復習」。教科書やノートをもとに、授業の内容を理解できているかどうかを確認します。
この「予習」→「授業」→「復習」のスタイルを繰り返すことで、着実に力がついていきます。
高校の数学では1つの「分からない」を放置していると、他もどんどん分からなくなります。
特に、教科書やノート、問題集の基礎問題の解説は基礎の理解に関わる重要な部分。読んで理解できない場合は、学校の先生や塾を頼って、できるだけ早く解決しておきましょう。
1つの単元で基礎問題をほとんど解けるようになったら、次の単元の基礎問題へと進みます。
全ての単元で基礎問題を反復、できるようになったら、1段階上のレベルの問題(応用問題など)にステップアップしてみましょう。
焦らずコツコツ、長い目で取り組んでみてください。できる問題が少しずつ増えていくことで、自信もついていきます。
高校数学勉強法、ポイントはひとつひとつの積み上げ!
高1生におすすめの数学の勉強法をご紹介してきました。まとめると、数学の勉強ではどこでつまずいているのかを自分で理解し、基礎を徹底的に身に付け、ひとつひとつ積み重ねていくことが大切です。
苦手意識が強いと、なかなか勉強が手に付かず、集中力も持続しません。少しずつ「できる」「分かる」が増えていくことで自信がついていきます。焦らず取り組んでいきましょう。
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