もっと記憶力が高ければ、テストで良い点が取れるのに……と思ったことはありませんか? 結論、記憶力を短期間で急激に高めることはなかなか難しいのですが、そもそもの記憶の仕組みを理解し、記憶に定着させる工夫を積み重ねれば少しずつ高めていくことはできるでしょう。 この記事では受験を目指す中学生、高校生に向けて、記憶力を高める方法、おススメの勉強法についてご紹介します。
まずはそもそも記憶力とは何か、またそれを勉強や受験に役立てるにはどうしたらよいのかを見ていきましょう。
記憶力とは「物事を記憶する能力」や「過去に体験したことや覚えたことを、忘れずに覚えている能力」のこと。
記憶力とよく似た言葉に「暗記力」がありますが、記憶力と暗記力は違うものです。暗記力とは「文字・数字などを、書いたものを見ないでもすらすらと言えるように、よく覚えるための能力」のことを指します。
分かりやすくいえば、暗記力は「知識をインプットするための能力」、記憶力は「インプットした知識を忘れずに覚えておく能力」です。
勉強には記憶力も暗記力もどちらも必要だといえます。
覚えたことを忘れずに長く覚えた状態でいるには、どうしたらよいのでしょうか?
私たちは、何度も入ってくる情報を必要不可欠であると判断した場合は、長く記憶する性質があります。そのため、目で読む、口に出す、書くといったことを繰り返したり、復習したりすることで、記憶に留めやすくなります。
さらに、場所や風景、イメージと一緒に覚えるとしっかりと記憶されやすい性質もあります。自分なりに意味を持たせたり、自分が既に持っている知識と繋げたりして覚えるようにすると記憶されやすいです。
また、感情(喜怒哀楽)とセットで覚えるのも効果的。修学旅行に行って楽しかった、部活の試合で負けて悔しかったなど、喜怒哀楽があった出来事は多くの人が忘れずに覚えているのではないでしょうか。
暗記法とそのポイントについて見ていきましょう。暗記と記憶の仕組みをうまく利用した方法なので、参考にしてみてください。
1つ目は、覚える内容に合わせた覚え方です。
英単語や古文単語の暗記は、まず覚えようとする言葉の形を覚えてから、その次に意味を覚えます。例えば英単語の「live」なら、紙に「live」「live住む」と何度も紙に書いて覚え込みます。「住む=live」ではなく、まずは「live」の形を覚え、そこから意味を結びつけるのがポイントです。
日本史などの歴史では、例えば足利氏など似た名前の人物が何人も出てきて、丸暗記しても忘れやすいでしょう。そのため、エピソードやストーリーを交えて覚えることが効果的。
また数学などの公式は、公式だけ丸暗記してもどんな問題でどう使うかを理解していなければ使うことができません。使い方や関連事項など、意味を含めて覚え込むのがコツです。
2つ目は、ノートなどに使うペンの色に着目した暗記法。基本的に文字を書くのは黒、重要部分など記憶に残したい部分は青、注意を引きたい部分には赤で書きます。
青色には気持ちをリラックスさせ、集中力を高める効果があります。そのため暗記するときに使うことで、記憶に残りやすくなるといわれています。
色の使い分けは自分がやりやすいのが一番ですが、色の効果を活用するのも1つの方法です。
3つ目は、感情が揺れ動いたときに暗記をする方法です。例えば、文化祭が終わって達成感に満ち溢れているとき、恋人に振られて気分が沈んでいるときなどに暗記をする。感情とセットで覚えたことは記憶に残りやすいという性質を利用します。
部活などで仲間と一緒に何かを体験したり、新しいことにチャレンジしてみたりと、意図的に楽しいことや嬉しいことを作るのもいいでしょう。暗記に効果があるだけでなく、心の豊かさももたらしてくれます。
テクニックを使って効率よく記憶力を高めよう!
記憶力を高める方法について解説してきました。勉強や受験には、覚えたことをいかに忘れないようにしていくかがカギ。やみくもに丸暗記を繰り返すのではなく、意味や関連事項を結びつけて覚える、ストーリーやエピソードで覚えるなどの工夫をするとよいでしょう。短期間で記憶力をグンと上げることは難しいかもしれませんが、記憶の仕組みや性質を活かした勉強法を活用して少しずつ積み重ねていきましょう。