どうしても勉強のモチベーションが上がらない、そんな悩みを多く耳にします。モチベーションが低い状態で机に向かっても、なかなか勉強は進まないし、効率も良くないですよね。 実は、モチベーションと一言でいってもいくつか種類があり、勉強のやる気アップにも大きくかかわっています。今回はモチベーションの仕組みをひも解き、これまで以上に勉強へのやる気がアップする方法をお伝えします。
そもそも、モチベーションとはどんなものでしょうか。モチベーションを日本語で表すと「動機」や「動機付け」となり、何か行動を起こすための要因のことを指します。刺激、やる気と言い換えても良いかもしれません。
モチベーション、つまりやる気がアップした状態だと、集中力も出て勉強がはかどりそうですよね。勉強を効率よく行うにはモチベーションが不可欠なのです。
皆さんの勉強のモチベーションは何ですか?テストで良い点を取ったら、欲しいものを買ってもらえるとか、勉強しないと叱られるのでしぶしぶやるなど、理由は様々あると思います。
ただし、上に挙げたような理由は「外発的動機づけ」といい、この動機づけだけではやる気は長続きしません。
「外発的動機づけ」とは、ご褒美や罰によってモチベーションをアップさせるやり方で、簡単にやる気がでるのがメリットですが、長続きしないのがデメリットです。
ご褒美が欲しくて勉強をしているのなら、ご褒美がなくなったらやる気がなくなるのは当然ですよね。
それでは、どのような理由であればモチベーションは持続するのでしょうか。そのポイントは「内発的動機づけ」です。
「内発的動機づけ」は、その行動自体が目的となってやる気が刺激されることです。言い換えると、楽しい、興味がある、好き!そんな気持ちを持てれば、モチベーションはアップしますし、長続きします。
自分がやりたいと思えることは、人に言われなくてもやりますし、時間を忘れるほど熱中することもありますよね。
「内発的動機づけ」によるモチベーションアップには、心理学の観点から①自律性の欲求、②有能性の欲求、③関係性の欲求、この3つの欲求を満たす必要があると言われています。勉強の観点から、詳しく見ていきましょう。
自律性の欲求とは、他人から指示されるのではなく、自分で選択や決定をするなど、主体的に行動したい欲求です。勉強であれば、例えば勉強する時間は親子で決めておいて、内容は自分で決める、などです。
自分で「今日は英語と数学を1時間ずつやるぞ」と決めることで、モチベーションがアップして主体的に取り組めるようになります。
有能性の欲求は、自分ができる、能力がある人間だと実感したい欲求です。勉強でも頑張った成果を感じられるようにしましょう。
2日に1回など振り返りの時間を作って、自分が覚えられたことやできるようになったことを確認すると良いでしょう。親の視点から、頑張った点や、勉強の過程を褒めてもらうのも効果的です。
関係性の欲求は、自分以外の他人と尊重しあえる関係を持ちたいという欲求です。孤独な戦いになりがちな勉強では、他人とのつながりで上手くモチベーションをアップさせましょう。
例えば、一緒に勉強を頑張る友達を作って、共同でテストに励んだり、成果を報告したりしましょう。最近ではオンラインでの繋がりもありそうですね。親と一緒に勉強するのも、家庭の中で団結して取り組んでいると感じられて良さそうです。
「内発的動機づけ」を活用して、毎日モチベーションを高くして勉強できるのが理想ですが、どうしても勉強に身が入らない時もあると思います。ここではそんな時の対処法をご紹介します。
最初にチェックしたいのが、やる気が出ない原因、勉強の集中を妨げる原因を特定しましょう。
まずは、スマホです。使い方によっては大敵です。手の届く場所にあるとついつい触ってしまいがち。ちょっとのつもりが何十分も…誰しもそんな経験があるはずです。誘惑を断ち切るため、勉強時はスマホの電源をオフにしたり、別の部屋に置いたりして、触れない環境を作りましょう。
また、睡眠不足になっていないかも注意しましょう。睡眠時間を削ってまで勉強するのは逆効果です。睡眠には疲労を回復させるだけでなく、脳の疲れをとって記憶を整理する効果もあります。効率よく勉強して、睡眠時間をしっかり確保しましょう。
日々勉強していると、目の前のことで頭がいっぱいになりがち。「何のために勉強しているのだろう…?」そんな迷いをなくすため、勉強の目標を書き出しておきましょう。
この時「〇〇合格!」のような最終的なゴールとあわせて「2か月後の期末のテストで〇〇点取る!」といった短期的な目標も挙げておくのがポイントです。そうすると、2か月後に向けて毎日参考書を2ページ進める、など具体的な行動も見えてくるのでオススメです。
モチベーションアップの方法で紹介した「自律性の欲求」を満たすために、勉強に関することはできるだけ自分で決めて取り掛かりましょう。
勉強時間も問題集も、自分で選びましょう。誰かに指示されたことよりも、自分で決めたことの方がモチベーションは維持しやすいです。そして自分で決めたことができたときは、自分を褒めてあげましょう。
「有能性の欲求」を満たすために、自分ができるようになったことや頑張ったことを紙に書き出しましょう。やったことを見える化することで「自分はこれだけ努力したのだ」と実感できます。
例えば、勉強のスケジュールをカレンダーに書き出して、勉強するたびにカレンダーに線を引くと、ゲームのクリアのように達成感を味わえます。
「関係性の欲求」を満たすために、切磋琢磨できる勉強仲間を作りましょう。
例えば、図書館に一緒に行って勉強したり、ミニテストで点数を競い合ったりすると、孤独になりがちな勉強もモチベーションを維持しながら頑張れます。お互いの勉強の悩みを聞いたり、教えあったりもできるととても心強いですね。
やらなければいけないのは分かっているけど、どうしてもモチベーションが上がらない。そんな時は、名言や格言を読んで心を奮い立たせるのもアリです。自分の心に刺さる言葉があったら、ノートに書き留めておいて、ふとした時に見られるようにしましょう。
ここでいくつか、勉強を頑張る人たちにモチベーションがアップしそうな名言を贈ります。
・何よりも大事なのは、人生を楽しむこと。幸せを感じること、それだけです(オードリー・ヘップバーン)
・一時間の浪費をなんとも思わない人は、人生の価値をまだ発見してはいない(ダーウィン)
・私はいつも、まだ自分ができないことをする。そのやり方を学ぶために(ゴッホ)
できることから始めて、勉強のモチベーションアップ
日々の勉強を常に効率的、効果的にこなすのは簡単なことではありません。今回はモチベーションの視点から、勉強のサイクルやペースを維持する方法をお伝えしました。
モチベーションアップのスイッチは人それぞれ異なります。まずはできることから始めてみて、自分に合ったやり方を見つけてください。目標達成に向けて頑張っていきましょう!
Photo / Getty Images