

勉強のモチベーションがどうしても上がらない、そんな悩みを多く耳にします。モチベーションが低い状態で机に向かっても、勉強がなかなか進まないし、効率も良くないですよね。実は、モチベーションと一言でいってもいくつか種類があり、勉強のやる気アップにも大きくかかわっています。
今回はモチベーションの仕組みをひも解き、これまで以上に勉強へのやる気がアップする方法をお伝えします。

そもそも、モチベーションとはどんなものでしょうか。モチベーションを日本語で表すと「動機」や「動機付け」となり、何らかの目標に向かって行動を起こすための要因のことを指します。刺激、やる気と言い換えても良いかもしれません。
モチベーション、つまりやる気がアップした状態だと、集中力も出て勉強がはかどりそうですよね。勉強を効率よく行うにはモチベーションが不可欠なのです。
とはいえ、受験やテストに向けて計画的に勉強を進めようと思っても、モチベーションが上がらず継続できない学生の方は少なくありません。
効果的にやる気を高めるためにも、その根本的な原因を探っていきましょう。

勉強のモチベーションが上がらないときの主な原因として、以下の4つが考えられます。
まず考えられるのは、学習環境が乱れていることです。特に、スマートフォンや漫画、ゲーム機がすぐ手に届く範囲にあると、休憩中に誘惑に負けてしまう場合がよくあります。
また、物が散らかった状態や、人の話し声、工事などで騒がしい状態も好ましくありません。集中できる環境をつくるためには、無駄な視覚情報や聴覚情報をシャットアウトすることが大切です。
集中力・思考力が落ちているとき、健康状態が万全でない可能性があります。特に注意が必要なのは、睡眠不足です。
脳は睡眠によって、要らない記憶を取り除き処理する「グリンパテックシステム」という働きが備わっているといわれます。これによって、脳の健康維持を保っているのです。
しかし、睡眠が不足すると記憶の老廃物が蓄積され、集中力や思考力が低下してしまうといわれています。
また、脳のエネルギーをつくりだすのに必要な栄養素が不足している場合もあります。具体的には、ブドウ糖やビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなどの不足には要注意です。
勉強を自分なりに頑張っているものの、思うように成績が上がらず、モチベーションが下がっている学生の方もいるのではないでしょうか。
このような勉強の停滞期は「プラトー(学習高原)」と呼ばれ、多くの人が経験するものです。脳が知識を得て、活用できるように整理する過程で、成績が上がりにくい期間が生じます。
ただし、プラトーは同時に、「成績が上がる前兆」ともいわれています。思うように伸びないからと諦めず、成績アップまでの準備期間と捉えることが必要です。
「テストで良い点を取ったら、欲しいものを買ってもらえる」「勉強しないと叱られるのでしぶしぶやる」など、ご褒美や罰によって勉強をしている場合もあるでしょう。
これらの理由は「外発的動機づけ」といい、簡単にやる気が出るのがメリットですが、長続きしない特徴があります。
ご褒美が欲しくて勉強をしているのなら、ご褒美を手に入れるとやる気がなくなるのは当然ですよね。
このように、勉強そのものに対する楽しさや意義を見出せていないことも理由のひとつです。

モチベーションを持続させるポイントは、「内発的動機づけ」です。
「内発的動機づけ」は、その行動自体が目的となってやる気が刺激されることです。言い換えると、楽しい、興味がある、好き!そんな気持ちを持てれば、モチベーションはアップしますし、長続きします。
自分がやりたいと思えることは、人に言われなくてもやりますし、時間を忘れるほど熱中することもありますよね。
「内発的動機づけ」によるモチベーションアップには、心理学の観点から①自律性の欲求、②有能性の欲求、③関係性の欲求、この3つの欲求を満たす必要があると言われています。勉強の観点から、詳しく見ていきましょう。
自律性の欲求とは、他人から指示されるのではなく、自分で選択や決定をするなど、主体的に行動したい欲求です。
誰かに指示されたことよりも、自分で決めたことの方がモチベーションは維持しやすいです。例えば、今日取り組む勉強内容や時間、問題集を自分で決めることで、モチベーションがアップしやすくなります。そして自分で決めたことができたときは、自分を褒めてあげましょう。
有能性の欲求は、自分ができる、能力がある人間だと実感したい欲求です。勉強でも頑張った成果を感じられるようにしましょう。
2日に1回など振り返りの時間を作って、自分が覚えられたことやできるようになったことを確認するのもひとつの手です。親の視点から、頑張った点や、勉強の過程を褒めてもらうのも効果的です。
そのほか、勉強のスケジュールをカレンダーに書き出して、勉強するたびにカレンダーに線を引くと、ゲームのクリアのように達成感を味わえます。
関係性の欲求は、自分以外の他人と尊重しあえる関係を持ちたいという欲求です。孤独な戦いになりがちな勉強では、他人とのつながりで上手くモチベーションをアップさせましょう。
例えば、一緒に勉強を頑張る友達を作って、共にテストに励んだり、成果を報告したりしましょう。お互いの勉強の悩みを聞いたり、教えあったりもできるととても心強いですね。
最近ではオンラインでの繋がりも活用できます。親と一緒に勉強するのも、家庭の中で団結して取り組んでいると感じられて良さそうです。

「内発的動機づけ」を活用して、毎日モチベーションを高くして勉強できるのが理想ですが、どうしても勉強に身が入らない時もあると思います。ここではそんな時の対処法をご紹介します。
まず、勉強に使う机やその周辺に、集中を妨げるものがあれば片付けましょう。
その次に大切なのは、室温です。集中力を維持するには、室温22~26℃が適切といわれています。ただし個人差がありますので、自分が集中できる温度に設定してください。
また、勉強中にできるだけ大きな音や話し声が聞こえない部屋を選びましょう。無音の状態がかえって作業しにくい場合は、環境音(波の音や雨の音、焚火の音など)をBGMにするのがおすすめです。環境音は、周囲の雑音をかき消す効果があるといわれます。
自宅ではどうしても集中できない場合には、図書館や塾の自習室など、誘惑がなく比較的静かな場所を活用するのも良いでしょう。
関連記事:「高校生向けの勉強できる場所6選!「集中できる環境」の条件とは?」

睡眠不足の自覚がある場合は、しっかり睡眠時間を確保しましょう。日本栄養士会が策定した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、中高生の睡眠時間は8~10時間が望ましいとされています。
また、質の高い睡眠のためには適度な運動も必要です。就寝前1時間以内を避け、1日当たり60分以上身体を動かす習慣をつくりましょう。
さらに、朝食を毎日食べることも大切です。朝食を摂ることで眠っていた脳や身体が目覚め、生活リズムを整えられます。体温を上げて集中力を高めるためにも、糖質のほか、乳製品や肉、魚、卵などのたんぱく質もしっかり摂りましょう。
そのほか、集中力を上げるために意識して摂取したい食べ物は、以下の通りです。
・ブドウ糖(おやつに):バナナ、ラムネ
・ビタミンB群:豚肉、牛肉、レバー
・カルシウム:乳製品、小松菜、モロヘイヤ
・マグネシウム:豆腐、納豆、わかめ
出典:公益財団法人 日本栄養士会「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
関連記事:「受験生の睡眠時間、何時間が最適なの?」
勉強のモチベーションが上がらないときは、学習方法を変えてみるのもひとつの手です。
例えば、以下のような方法があります。いつもの勉強方法に変化をつけたい方は、参考にしてみてください。
■カウントダウン勉強法
■簡単、または好きな勉強内容から始める
■身体を動かしながら暗記する
■検索練習
日々勉強していると、目の前のことで頭がいっぱいになりがち。「何のために勉強しているのだろう…?」そんな迷いをなくすため、勉強の目標を書き出しておきましょう。
この時「〇〇合格!」のような最終的なゴールとあわせて「2か月後の期末のテストで〇〇点取る!」といった短期的な目標も挙げておくのがポイントです。そうすると、2か月後に向けて毎日参考書を2ページ進める、など具体的な行動も見えてくるのでオススメです。
やらなければいけないのは分かっているけど、どうしてもモチベーションが上がらない。そんな時は、名言や格言を読んで心を奮い立たせるのもアリです。
自分の心に刺さる言葉があったら、ノートに書き留めておいて、ふとした時に見られるようにしましょう。
ここでいくつか、勉強を頑張る人たちにモチベーションがアップしそうな名言を贈ります。
・何よりも大事なのは、人生を楽しむこと。幸せを感じること、それだけです(オードリー・ヘップバーン)
・一時間の浪費をなんとも思わない人は、人生の価値をまだ発見してはいない(ダーウィン)
・私はいつも、まだ自分ができないことをする。そのやり方を学ぶために(ゴッホ)
できることから始めて、勉強のモチベーションアップ
日々の勉強を常に効率的、効果的にこなすのは簡単なことではありません。今回はモチベーションの視点から、勉強のサイクルやペースを維持する方法をお伝えしました。
モチベーションアップのスイッチは人それぞれ異なります。まずはできることから始めてみて、自分に合ったやり方を見つけてください。目標達成に向けて頑張っていきましょう!