学校や図書館だと集中して勉強できるのに、なぜか家だと集中できない!そんな人が多いようです。しかし、だからといって家での勉強をあきらめてはいけません。 大学受験で結果を出すためには、一定以上の勉強時間を確保する必要があります。つまり、学校や塾の勉強だけではなく、家での勉強をいかに行えるかが受験の合否に関わると言えるでしょう。 ポイントは、なるべく早く家で勉強する方法を身につけることです。受験する高3生からではなく、高1生の頃からその方法を確立し、習慣化させましょう。
なぜ家での勉強が必要なのか?それはズバリ、大学受験と合格のためには、授業を受けているだけでは不十分だからです。その必要性をデータも踏まえ見ていきましょう。
文部科学省が令和2年に実施した「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)第18回調査」では、高3生を対象に、休日の勉強時間を調査しています。
第18回の調査では、休日に6時間上勉強する人の割合が前回の調査よりも大幅に増加しており、大学進学を希望する学生の、休日の勉強時間が増えていることが見て取れます(大学進学希望:2.4%→26.7% / 大学院進学希望:9.3%→49.5%)。
参考:21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児) 第18回調査 (文部科学省)
データで紹介した休日だけでなく、平日の学校や塾の後などにも家で勉強しましょう。その日に習ったことを家で自習することで理解が深まります。
そして、大学受験を成功させたいなら、高1生の頃から家で勉強する習慣をつけてください。多くの学生は受験が迫った高3生から勉強時間を増やします。しかし、残された期間が少なければ、物理的に確保できる時間も限られてきます。
まだ受験まで余裕のある高1生の頃から始めることで、ライバルとの差をつけられます。
家での勉強の重要性は分かったけど、やっぱり家ではどうも勉強が捗らない…その原因はなんでしょうか?多くの人が勉強で利用しているカフェと比較して、その理由を探りましょう。
勉強する環境という点でみると、カフェには勉強しやすい要素が多くあり、逆に家には勉強を妨げる要素が多くあります。
その一つが「音」です。個人差はありますが、あまりに静かな環境だと無音状態が気になって集中できないという人がいます。そんな人にとっては、店内のBGMや周囲の人の会話などが適度な雑音になり、カフェが勉強しやすいと感じるのです。
もう一つ、カフェと家の大きな違いは人の視線です。カフェには多くの人がいます。誰かに話しかけられるわけではないですが、他人の視線があることで生まれる緊張感が適度なストレスとなり、作業のスピードや質が上がると言われています。
逆に家の自分の部屋だと、誰も自分の勉強を見張っている人はいません。サボっていても気づかない…そんな誘惑が集中を妨げてしまいます。
カフェにはないけれど、家にはあるもの、それは「物の誘惑」です。家の中はゲーム、スマホ、テレビやベッドなど、誘惑でいっぱいです。
特にスマホはすぐ手元で触れるため、通知だけ確認するつもりがSNSやゲームをやってしまい、気が付いたら1時間も…なんてことになりがちです。
ここからは、さまざまな誘惑を振り切り、家で集中して勉強するための方法を紹介します。今回は、誰でもチャレンジできるよう、自分の部屋がある・ないに関わらず実践できるポイントを挙げました。
家での効果的な勉強方法について、まずは大学受験の先輩を参考にしてみましょう。東大生がコロナ禍において、家で勉強に集中するためにどんな工夫をしたか?が、WEB上で公開されていました。
見てみると、東大生と言えどもやはり「この論文のこの部分まで読む」「一時間勉強する」など、時間を決めて取り組んでいるようです。自分で時間を決めて勉強する、ルーティン化するというのは基本的なことですが、自己管理の大切さを感じます。
その他にも東大生が勉強に集中するための工夫が紹介されています。参考にしてみてください。
参考:東大生に聞く!コロナ禍、どう過ごしていますか?(東京大学男女共同参画室)
一度やりだすと、大量に時間を浪費してしまうゲームや漫画、スマホなどの娯楽は勉強の大敵です。
家で集中して勉強するために、娯楽アイテムは普段から手の届かない場所に置いておきましょう。クローゼットの中など、目につかない場所だとなお良しです。
家の勉強でおすすめの時間帯は、朝早くがベストです。家族がまだ寝ている時間帯であれば、リビングなどでもうるさくないので、集中して勉強ができます。
また、朝目覚めてからの3時間は「脳のゴールデンタイム」と言われ、脳が最も効率よく働くと言われています。勉強の質を高める意味でも、朝の勉強はおすすめです。
家での勉強の質を上げるために、学習計画を立てて取り組みましょう。東大生の勉強のコツでも、「計画を立てる」「目標を決める」ことが紹介されています。
また、毎日の計画とともに、勉強の中ではタイマーを使うと良いでしょう。「この問題は10分で解く!」などと設定すると、自然と集中して取り組めるものです。
参考:第2回『東大生からコロナ禍で頑張る受験生へ!アドバイスや勉強のコツをお伝えします(前編)』(東京大学男女共同参画室)
環境を整えて家でも集中して勉強しよう
今回は家で効率的に勉強する方法をさまざまな視点からお送りしました。覚える知識が多い大学受験では、学校や塾だけでなく、家での質の高い勉強が結果に大きく影響します。
紹介した内容や大学受験の先輩たちの声を参考にして、家でも集中して勉強に取り組める環境を用意してみましょう。
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