「子どもが勉強しなくて困っている」「勉強しない子にどう関わればいいか分からない」という悩みを持つ保護者は多いようです。勉強に取り組まない子どもに対し、親としては不安や焦りを感じてしまうもの。ついつい子どもに「勉強しなさい」と言ってしまい、喧嘩になったり、親子関係が険悪になることも。 この記事では、勉強しない子どもへの親の関わり方、またやる気を引き出す言葉掛けのヒントをご紹介します。
まず、そもそもなぜ勉強しないのでしょうか。考えられる理由はいくつかあります。
スマホやゲームなど楽しいものに熱中してしまうと、当然、勉強にも手が付かなくなります。
スマホやゲームも、息抜きや楽しみとして適度にやるなら問題ありません。しかし中学生・高校生ではまだまだうまく自己管理できない場合も多いため、注意が必要です。
参考:受験生はゲーム禁止?ゲームしたい気持ちを抑える失敗しないゲームとの付き合い方
学校の授業が理解できず、勉強を諦めてしまう子もいます。
授業についていけなくなると、子どもにとって勉強は「つまらないもの」「苦痛なもの」になってしまいます。
部活など学校生活が忙しくて疲れていると、勉強が手に付かないこともあります。
また、思春期まっただ中の中学生、高校生は、身体だけでなく心も急激に変化する時期です。友達との関係に悩んだり、気持ちが不安定になったりと、精神面での悩みを抱えることも。それも勉強に身が入らない一因になります。
中学生・高校生が親に「勉強しなさい」と言われると、とにかく従いたくないと思ってしまうものです。
思春期に見られる反抗的な態度は子ども自身が不安や葛藤を抱えながら成長している現れでもあり、親の言うことを聞かなくなるのは健全なことです。
見てきたように、子どもが勉強しない理由はさまざまありますが、勉強しない子に対して親はどう関わればよいのでしょうか。
親が一切口出しせず、放っておくのはあまり良くありません。勉強しない子どもに何もせず、子どもが自主的に勉強するようになることは、ほとんど無いと思っていいでしょう。
まずは子どもの気持ちに寄り添い、勉強しない理由を探り、子どもにとって適切なタイミングで親がサポートすることが大切です。
子どもと一緒に勉強する意味を考えてみましょう。子ども自身が勉強の必要性を理解できれば、少しずつ自主的に勉強に取り組むようになるはずです。
取り組む姿勢が見えてきたら「1日5分勉強してみる」など小さな目標を一緒に立ててみましょう。なるべくハードルの低い目標にするのがコツ。目標をクリアしたときの達成感は子どもの自信につながります。親も「頑張ったね」「達成できたね」と子どもの頑張りを褒めてやる気を育てましょう。
疲れていると勉強が手に付きませんし、勉強机や勉強部屋が散らかっていては気が散ってしまいます。スマホやゲームも、勉強中に手元にあればつい触りたくなるものです。
親ができることは、勉強しやすい環境にするにはどうするのがよいか一緒に考えたり、子どもが片づけやすい環境を整えたりすることです。
声掛けは時間やタイミングを決めて行うのがポイント。例えば「夕食前に英単語を3個覚える」という目標を決めたとしたら「今日はやった?」と、決めたことをやったかどうかの確認の声掛けをしましょう。
また、反抗期で親をうっとおしいと感じる時期ではありますが、日常的な会話も大切にできるといいですね。
次に、子どものやる気を引き出す言葉の例をご紹介します。
例えば、子どもがテストの点数を伝えてきたとしましょう。
点数が良かった場合は「よく出来たね!」と褒めてあげれば良いですが、点数が低かった場合は、どう声をかけたらやる気を引き出せるのか難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
「じゃあ、ここは出来ているから、次この部分を出来るようになろう!」と、結果だけに目を向けるのではなく、勉強の過程の頑張りを認めた上で課題を提示してあげると、子どもの自信に繋がり、モチベーションのアップに繋がります。
例
「自分のペースで勉強していけばいいと思うよ」「あなたが全力で勉強に取り組むなら、どこの大学に行ってもいいよ」「自分が行きたい道を選んでいいよ」
このような親の言葉に、子どもは「親は自分を信じて任せてくれている」と感じて安心します。子どもの気持ちを前向きにしてくれる言葉です。
最後に、子どもに言ってはいけない言葉の例をご紹介します。
例
「どうせ落ちるんだから」「勉強大丈夫なの?」「受験がしんどいならやめればいい」
子どもを否定するような言葉や、責めたり突き放したりするような言葉は、子どものやる気をさらに下げてしまいます。
例
「○○学部はやめたほうがいい」「浪人しなさい」「推薦で進学しなさい」
親としては受験に失敗してほしくないという思いでつい口出ししてしまいがちですが、子どもの進路に干渉しすぎるのはNG。勉強や受験へのモチベーションを下げてしまう原因になります。
勉強しない中学生・高校生、子どもに寄り添い適切なサポートを
勉強しない子どもに親はどう接し、声掛けをするかについて見てきました。まずは子どもの気持ちに寄り添い、なぜ勉強しないのかを理解した上で、適切なサポートをすることが大切です。「勉強しなさい」「ゲームをやめなさい」といった命令口調や押し付けではなく、将来のことや勉強する意味を親と子が一緒に考え、小さな目標を立てて取り組んでみましょう。
声掛けはタイミングを決めて適度に、子どもの頑張りを認め、どんなに小さいことでもできたことを褒めるのが基本。否定的な言葉や干渉しすぎに注意しながら、子どもが前向きに取り組めるようサポートしていきましょう。