勉強の合間にお菓子をつまむのが楽しみ、なんて人も多いのでは? 最近はお菓子と脳の働きの関係についての研究も進められており、上手に活用すればお菓子も勉強の味方になってくれます。どうせ食べるなら、勉強効率が良くなるお菓子を選びたいですよね。この記事では勉強時に食べるお菓子の効果、選び方や食べるときに注意すべきポイントについて解説します。
まず、勉強時のお菓子がもたらすメリットについてご紹介します。
勉強すると、脳では大量のエネルギーを消費します。脳のエネルギーが不足すると、集中力が切れやすくなったり、勉強効率が下がったりします。
脳の主なエネルギー源は「ぶどう糖」。脳のパフォーマンスが下がってきたときには、ぶどう糖を補給することが効果的です。勉強時には定期的に摂ることをおすすめします。
ぶどう糖を手軽に補給できる代表的なお菓子が「ラムネ」。実はお店で売られているラムネには主原料が砂糖のものと、ぶどう糖のものがあります。勉強時にはぶどう糖のラムネがおすすめ。なぜなら、ぶどう糖の方が体内に吸収されやすく、すばやく脳や全身にエネルギーを送り届けられるメリットがあるからです。
最近では、森永製菓と東京大学大学院薬学系研究科薬品作用学教室の共同研究で、ぶどう糖が主成分のラムネの摂取により、集中力の維持が期待できるという研究結果も報告されています。
参考:森永製菓株式会社 「ラムネ菓子についての研究」
「噛む」行為には、集中力アップや記憶の定着など、脳の働きを向上させる可能性があることが近年の研究で分かってきました。勉強時には、噛むお菓子を取り入れるのもよいでしょう。
噛むお菓子といえば「ガム」。噛みながら手を動かすことができるので、勉強のお供にぴったりです。ミント系を選べば眠気覚ましにもなります。虫歯が気になる人には、虫歯予防効果のあるキシリトールが入ったガムがおすすめです。
ガムのほかにもハードグミやするめ、ナッツ、硬めのせんべいなども噛みごたえがありますね。好きなものを選びましょう。
好きなお菓子や甘いものを食べることは、勉強中の気分転換にもなります。人間の集中力の限界は90分程度といわれており、適度に休憩を入れることが必要です。「この時間になったら」「問題集のここまでやったら」など区切りをつけて、10〜15分程度の気分転換の時間を作りましょう。
お菓子を食べてほっと一息、リラックスすることで、頭がスッキリした状態で再び勉強に取り組むことができるでしょう。
一方、お菓子は、逆に勉強効率を下げてしまったり、健康を害してしまったりする場合があります。お菓子の選び方や食べる量には注意しましょう。
勉強しながらお菓子を食べていたら、いつのまにか一袋なくなっていた……なんてことはありませんか? 大袋のままお菓子をつまんでいると、ついつい食べすぎてしまいますよね。
お菓子は砂糖や油、塩分を多く使っているものが多く、食べ過ぎはカロリーの過剰摂取につながります。カロリーオーバーが続くと、栄養バランスが崩れて不調を起こしたり、太ってしまったりします。
また、お菓子の食べすぎは勉強効率を下げてしまうデメリットもあります。食事のあとは眠くなってしまう人も多いのでは? お菓子も同じで、満腹状態では眠気が襲ってきて勉強に集中できないこともありえます。
食べすぎを防ぐために、1日に数回、小分けに食べるようにするとよいでしょう。食べ切りサイズの小分け袋に入ったお菓子や、大きい袋に入っているお菓子の場合は、あらかじめ食べる分だけを取り分けて食べるようにしましょう。
お菓子にはカフェインが含まれるものがあります。代表的なものがチョコレートです。美味しくて、糖質の補給もできるとあって勉強時にもおすすめのお菓子ですが、食べる量や時間帯には注意しましょう。
カフェインには眠気を覚ましたり、集中力を高めたりする効果があり、勉強にはメリットといえます。しかし一方で、夜に食べすぎると眠りにくくなることも。
そのため、夜に食べるチョコレートの量は控えめにしておくと安心です。近年人気の高カカオチョコレート(カカオの含有量が70%以上のもの)は、ミルクチョコレートに比べてカフェインの量も多いため、注意しましょう。
砂糖たっぷりの甘いお菓子やスナック菓子。カロリーが気になる人も多いかもしれませんね。どうせ食べるなら健康に良いものを!という人は、素材を生かしたおやつを選びましょう。
ナッツやドライフルーツ、ヨーグルト、干し芋などは低カロリーで、健康に良い栄養素も含まれています。
ただ、低カロリーだからといって、食べすぎはよくありません。小分けにして食べるなど食べる量には注意しましょう。
上手にお菓子を食べて勉強効率&成績アップを目指そう
勉強時のお菓子について解説してきました。ラムネやチョコレートなどの甘いお菓子は脳のエネルギー補給、「噛む」お菓子は記憶の定着や眠気覚ましにも役立つなどさまざまなメリットがあります。しかし、どんなお菓子も食べすぎは禁物。あくまで「おやつ」として、通常の食事に影響のない範囲にしましょう。勉強の合間にお菓子を食べること自体が気分転換になり、再び勉強に向かう前向きな気持ちを手助けしてくれることもあります。食べる量をコントロールしながら、お菓子で心も体も満たしてうまく勉強に役立てていきたいですね。
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