勉強は朝にしていますか?それとも夜にしていますか? 朝は集中力が高まる時間帯であり、周りも静かなので勉強に集中して取り組めるメリットがあります。大学入試は朝から行われることが多いため、朝勉強を習慣づけておくことで、受験でも力を発揮しやすくなります。 この記事では、より効率よく勉強したい中高生に向けて、朝と夜それぞれのメリット、また朝勉強を習慣化するコツについてご紹介します。
まずは朝に勉強するメリット、効果について見ていきましょう。
脳科学者の茂木健一郎氏によると、朝、目覚めてからの約3時間は、脳が1日の中で最も効率よく働く「脳のゴールデンタイム」。朝から午前中にかけてはドーパミンやアドレナリンが多く分泌されるため、やる気や集中力が高まり、効率よく勉強に取り組むことができます。
朝勉強を始める時間は登校時間から逆算して2時間~3時間取れる時間が目安と言われます。しかし、これだと7時に登校している人は4時か5時に起きなくてはいけません。覚悟を決めてこの時間に起きるのもアリですが、学校でうたた寝ばかりするようになってもいけませんから、はじめは朝勉強に1時間確保することを目標に、少しずつ早起きに慣れていきましょう。
入試の時間帯に一番脳が働く状態を作るように朝勉強のスケジュールを考えるのも手です。起床から3~4時間後、脳の冴えが最も高くなるピークにくると言われています。共通テストの1時間目は午前9時半開始ですから、ここにピークを持ってくるなら起床は5時半から6時半がベスト。日頃から5時半起床の習慣をつけておけば、7時に登校する人でも1時間は朝勉強の時間を確保することができるだけでなく、入試で最高の脳パフォーマンスを発揮するための訓練になるのです。
早朝なら物音や話し声のない静かな環境で勉強に取り組むことができます。夜は見たいテレビ番組やSNSが気になってしまったり、家族に話しかけられたり、スマホの通知が多くきたりと、勉強への集中を妨げる要因がたくさんあります。
朝なら比較的他人の影響を受けずに、ひとりで勉強に集中することができます。
朝に勉強するなら、国語や英語の長文読解や記述問題、数学や理科が特におすすめ。朝はドーパミンやアドレナリンの大量分泌により、思考力やひらめきに優れています。朝の勉強ではアウトプットを意識して行うと効果的です。
朝、なんだか頭がぼーっとするなと感じたら、ウォーミングアップに簡単な計算問題や英語などの音読から始めてみましょう。徐々に頭が冴えてきますよ。
大学入試は朝から行われることがほとんど。朝型に切り替えておくことで、受験本番でしっかりと脳を働かせるリズムを作ることができます。
普段は夜に勉強している人も、本番で十分に力を発揮するために、受験直前には徐々に朝型にシフトしていきましょう。
では夜に勉強するメリットはどんなことでしょうか。
朝の脳は思考力やひらめきに優れていますが、記憶を定着させやすいのは夜。特に、寝る1〜2時間前に学習した記憶は定着しやすいといわれています。
そのため夜に勉強するなら、英語や古文・漢文などの単語、歴史などの暗記物などインプット系の学習に向いています。夜はインプット、朝はアウトプットなど時間帯に応じて勉強する教科や内容を変えるのも手です。
出発時間が決まっている朝と違い、夜は睡眠時間を削ることにより勉強時間を増やすことができます。
勉強に充てられる時間自体は増やせますが、睡眠不足の状態で勉強を続けることは、かえって勉強効率を下げてしまう危険性があります。「勉強しているのになかなか覚えられない」「翌日の学校の授業で、眠くて頭に入らない」といったことにつながります。
夜に勉強する場合も睡眠時間はしっかり確保しましょう。
毎日夜更かしをして勉強していると、生活リズムが崩れてしまうかもしれません。朝なかなか起きられなかったり、午前中に頭が働かずボーッとしたり、体調を崩したりする危険性もあります。
せっかく勉強しているのに、昼間のパフォーマンス低下や体を壊してしまうのは本末転倒です。勉強や受験ができるのも健康な体があってこそ。睡眠時間を確保した上で、なるべく毎日決まった時間に寝起きしましょう。
「朝に勉強したい!」と思っても、なかなか起きられない人もいると思います。ここからは朝上手に起きるためのコツをご紹介します。
寝起きが悪い、目覚めが良くない人は睡眠の質に問題があるかもしれません。
睡眠の質を下げる原因の一つがスマートフォンから発せられるブルーライトです。脳が睡眠モードに切り替えられず、睡眠サイクルが乱れてしまいます。寝る30分前にはスマートフォンを見ない、ベッドにはスマートフォンを持ち込まないなどの対策をしましょう。
また、夜にしっかり眠るためには、なるべく日中に体を動かし、適度な疲労感を持たせると良いでしょう。
起きるときの味方、目覚まし時計。スマホのアラームでもいいですが、なかなか起きられない人は、大きいアラーム音が鳴る目覚まし時計がおすすめ。スヌーズ機能もあるとなお良いです。
それでも起きられない人は、目覚まし時計を複数用意したり、遠くに置いたりするのも手。目覚ましを上手に使って早起き習慣をつけましょう。
平日は早起きだけれど、土曜日や日曜日の週末は休みだから昼までゆっくり寝たい……という人も多いのではないでしょうか。
早起きの習慣をつけるには、毎日の生活リズムをなるべく崩さないことがポイント。起きる時間、寝る時間を決めて、できるだけ守るようにします。疲れたときは寝たいだけ寝るときもあってよいので、無理せず少しずつ習慣化していきましょう。
朝勉強を習慣化して受験でも実力を発揮しよう!
朝勉強について解説してきました。朝勉強には、集中力が高い状態で勉強に取り組めるなどメリットがたくさんあります。大学入試は朝からあることを考えると、早いうちに朝勉強の習慣をつけておくことをおすすめします。
朝型に変えることはすぐには難しいかもしれませんが、習慣化してしまえばこっちのもの。少しずつ早起きにチャレンジしてみましょう!
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