大学入試といえば、つい受験勉強に目がむいてしまいますが、意外と見落としがちなのが、受験自体にかかる費用です。大学受験には、受験料はもちろんですが、それに付随してさまざまな費用がかかります。オンライン出願も主流化する中、出願時にクレジットカード払いを選択したところ、利用可能枠を使い切ってしまい、とっさの出願時に苦労したというケースもあります。前もって予算をたてることでこうした失敗を未然に防ぐことができます。この記事では、受験料、受験料以外の費用など、大学受験をするための費用はどれくらいかかるのか、情報をまとめました。受験生本人も保護者も安心して大学受験を迎えられるよう、ぜひ参考にしてみてください。 ※金額は変更になる場合があります。最新の情報は各大学の入試案内をご確認ください。
大学受験にかかる費用は、大きく分けて2つです。受験料と、受験料以外の費用です。どのような費用があるのか、見ていきます。
国公立大学でも私立大学でも、入試を受けるには必ず受験料がかかります。受験料は大学によって異なるため、各大学の入試案内を確認しましょう。
受験料以外にかかる費用として、願書代、出願書類の送料・封筒代、交通費、宿泊費などがあります。
ほとんどの大学で願書は無料ですが、一部の私立大学では願書も有料のところがあります。また願書の取り寄せや出願を郵送で行う場合は、別途、郵送代や書留郵便代がかかります。
この他に受験地までの交通費、遠方の場合は宿泊費が必要になる場合も。新幹線や飛行機で移動する場合や、都市部へ宿泊する場合は、費用負担が大きくなります。
厳密には受験費用ではなく、入学費用にはなりますが、出願の時点で大学への入学金の準備も考えておく必要があります。
私立大学では合格発表後、比較的早いタイミングで入学金の支払いが求められることが多いです。期限までに支払わないと入学の権利を失います。しかし第1志望の合格発表や試験日の前に、併願校の入学金の納付期限がくることもあるため、入学の権利を確保するために支払わざるを得ないといったケースも出てきます。
そのため、複数の私立大学を受験する場合はあらかじめ数校分の入学金を準備しておきましょう。入学金は大学によって異なりますがおよそ20〜40万円程度で、一度支払った入学金は入学を辞退しても返金されないことが多いようです。
では実際に、大学の出願にかかる費用を見ていきましょう。
※金額は変更になる場合があります。最新の情報は各大学の入試案内をご確認ください。
大学入学共通テストの検定料(受験料)は、3教科以上を受験する場合は18,000円、2教科以下を受験する場合は12,000円です。どちらも成績通知を希望する場合は成績開示手数料800円が加算されます。(2023年時点)
国公立大学の一般選抜や、共通テスト利用型の入試を受験する場合は、必須の費用です。
国公立大学の一般選抜の二次試験、総合型選抜、学校推薦型選抜の受験料は、いずれも約17,000円です。
最近ではインターネット出願(ウェブ出願)がメインですが、ウェブだけでは完結せず、郵送での書類提出が必要になるケースもあります。その場合には送料(簡易書留代など)と封筒代がかかります。
私立大学の受験料は大学や入試方式によって異なります。ここではだいたいの相場を紹介します。
一般選抜(個別試験):約35,000円
一般選抜(医学部等個別試験):約40,000〜60,000円
一般選抜(共通テスト利用入試):約15,000〜20,000円
総合型選抜、学校推薦型選抜:約30,000〜35,000円
この他に国公立大と同じように、必要に応じて郵送料や封筒代、交通費や宿泊費がかかります。
また、多くの場合は無料ですが、大学によっては願書代として300〜1,500円程度かかる場合があります。
大学受験の費用は、受験する大学や数によっては大きな負担となることも。なるべく費用を抑えて大学受験を成功させたい人のために、工夫できることをご紹介します。
受験する大学が自宅から遠い場合、交通費や宿泊費の負担が大きくなりますが、私立大学では地方試験会場を設けている大学もあります。
例えば東京都内にある大学でも、入試を、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などで受験できるというものです。大学の所在地以外にも試験会場があるかを確認してみましょう。近くの会場があれば、交通費や宿泊費が抑えられます。
私立大学の一般選抜では、共通テスト利用入試と、共通テストを利用しない個別の入試があります。
受験料は、共通テスト利用入試が約15,000〜20,000円、共通テストを利用しない個別試験は約35,000円と、共通テスト利用入試の方が低く設定されています。
国公立大学と私立大学を併願する場合、国公立大学で共通テストが必須となるため、私立大学の入試も共通テスト利用入試を選ぶと受験料を抑えることができます。
また、共通テストは地元の会場で受験できるため、志望する大学が遠方の場合などは交通費や宿泊費が抑えられることもあります。
私立大学では、同じ大学の複数学部の受験や、同一学部で、複数の入試方式(一般方式、共通テスト併用方式など)で受験する場合に検定料(受験料)が割引になるケースがあります。自分の希望進路と合えば、ぜひ利用しましょう。
※大学によって制度の内容は異なります。
遠方の受験会場で受験するなら、交通手段や宿泊施設は早めに確保しておくのがおすすめ。新幹線や飛行機などの交通機関、またホテルなどの宿泊施設は、早期に予約をすると割引が利用できることがあります。
費用を抑えられることはもちろんですが、受験時期には予約が集中しがちで確保しづらくなるため、早めに動いておくに越したことはありません。
大学受験費用は意外とかかる!早めに用意して受験に備えよう
受験にかかる費用をひとつひとつ洗い出してみると、大学受験には意外とお金がかかることがわかります。受験時期に焦らないよう、いつ、どれくらいの費用がかかるのかを事前に把握しておき、余裕を持って早めに用意しておきましょう。
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