
大学受験へ向けて、塾や予備校の活用を検討されている方もいるでしょう。塾の種類やレベルはさまざまで、最近はオンライン塾も登場するなど、選択肢が広がっています。
一方で、塾にまったく通わずに大学入試に合格するケースもあるため、塾って行く必要あるの?という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。今回はこの疑問を解決します。
文部科学省の令和5年度子供の学習費調査によると、全日制高等学校において塾に通っている方の割合は、公立高校で38.7%、私立高校で30.1%でした(※)。
この調査は、大学受験をしない生徒も対象になっています。大学進学率が62.0%ですから、大学受験を行う生徒の通塾率はより高いといえるでしょう。
特に公立高校では、学年が上がるにつれて学習塾費が増加する傾向がみられます。以下は学年別の学習塾費の平均額と、塾に通っている方の割合です。
・高1生:26.3万円(34.2%)
・高2生:41.1万円(36.3%)
・高3生:45.3万円(45.8%)
このように、大学受験への意識が高まるにつれて、学習塾を利用する生徒の割合や費用が増加していることが分かります。特に高3生では、約2人に1人が塾に通っている状況です。
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」「学校基本調査 総括表4 進学率(昭和23年~)」
※「表8-2 学習塾費の金額分布」より、学習塾費が0円の割合を100%から差し引いた値に基づく
大学受験を考えた時に、塾や予備校に行く選択肢を持つ方は多いでしょう。
高校受験でも通塾する方は多いため、受験のために塾に通うことは、自然な流れといえます。しかし、最近では、塾に通わずに大学に合格したことをブログやSNSなどで発信する方もいるため、「本当に塾って必要なの?」と感じる方もいるかと思います。
受験を経験した方の中には塾に行っても意味がない、無駄だったという声も聞かれます。これらの声を発する人達はなぜそう感じたのでしょうか?
例えば、現在の学力と塾のレベルが合っていなかった可能性があります。
塾や予備校と言っても、レベルはさまざまです。特に、集団塾の場合は自分と合わないレベルのクラスを選択してしまうと授業の内容についていけず、負担に感じるだけで終わることがあるからです。
例えば講義中心でも知識をどんどんインプットできるタイプの方は、集団塾で一斉に授業を受けるスタイルでも問題ないと思います。
しかし、つまずいたところをその都度教えてもらうほうが理解が進むタイプの方が講義形式の塾を選択すると、結局理解が進まず、時間の無駄だと感じることも少なくありません。
部活動を頑張りすぎて、その後に塾に来ても、疲れていて授業に集中できず、ただ座っているだけになってしまった、といったケースもあります。
いずれにしても、自分に合った塾の使い方ができていなかった方が、その意味を見いだせていない場合がほとんどです。
塾や予備校は負担を増やすために行くのではなく、効率的に勉強を進めるために通う所です。せっかくお金を払って通うのですから、意味あるものとなるように、塾や予備校を選ばなくてはいけません。
公立高校は文部科学省の学習指導要領に沿ったカリキュラムを組むのに対して、私立高校は進学校か否かに関わらず、独自のカリキュラムを設定しているところが多くあります。
私立高校は公立高校よりもプラスアルファのカリキュラムが組まれることが多く、それに加えて塾に通うとなると、本人にとって負担となってしまう可能性もあります。
私立高校では、大学受験に向けた手厚い対策が行われており、成績も問題がないために、そもそも塾に行く必要がなかった方もいます。
大学受験対策に塾は必要ないという意見がある一方で、「塾に通って良かった」「通ったからこそ合格できた」という方も多くいます。
ここでは、塾に通うことで受験対策がスムーズに進んだとする、「行くべき」派の意見をご紹介します。
合格を目指すには、試験日から逆算し、「何を・いつまでに・どのレベルまで学習すべきか」を把握して、適切な学習スケジュールを立てなければなりません。
これを自力でやるのは大変ですが、塾に通うことで、志望校や現在の学力、学習の進捗、部活動・習い事などの生活スタイルに応じた学習スケジュールを立ててもらえます。
例えば、理科や社会は、学校では全範囲を終えるのが高3生の冬となり、受験直前期になってしまうことがあります。その点、塾では、受験の日程を逆算してカリキュラムを組むため、先取りして勉強範囲を終了できます。
合格に向けて計画的に学習を進められるので、焦ることなく学習に取り組める点も大きな魅力です。
塾には、学習に集中できる環境が整っており、周囲にも学習を進める同じ立場の生徒が大勢いるため、モチベーションを保ちやすいメリットもあります。静かなブースや自習室などが備わっている塾も多く、落ち着いて学習に取り組めるため、勉強の習慣が身につきやすいのが特徴です。
独学での受験勉強は孤独との戦いになりがちですが、塾であれば講師や塾のスタッフからアドバイスや励ましの言葉をもらえるため、精神的にも大きな支えになります。
さらに、わからないことがあってもすぐに質問できるため、疑問を放置せず前向きに学習を進められます。
大学の入試制度や各大学の出題傾向が年々変化しています。塾に通っていれば、個人ではつかみにくい最新の受験情報を入手できるのも大きな強みです。
また、塾では模試の結果や志望校の動向を踏まえた進路相談も可能です。学校推薦型選抜や総合型選抜などの多様な入試方式や、併願校の情報も得られるため、戦略的に受験対策を進められます。
学校の授業だけでは対応しきれない部分を補えるのも、塾の大きなメリットです。
例えば、学校で習っていない科目で受験しなければならない場合や、授業内容が十分な受験対策になっていない場合でも、塾に通えば受験対策に特化した授業を受けられます。
また、苦手な単元を徹底的に復習したいときや、面接・小論文など学校では手薄になりがちな分野を重点的に強化したいときも、塾は心強い存在です。
さらに、中高一貫校のように、そもそも授業の進度が速い学校の場合、生徒によっては授業や講習についていけない、ついていくのが大変な状況もあります。そういった場合は、塾などを活用し、授業のサポートをするのもひとつの手です。
「塾に行っても意味がなかった」という声を聞くことがありますが、その多くは塾の選び方や使い方に問題があったケースです。
適切な塾を選んで上手に活用すれば、独学では得られない大きなメリットが得られます。
効率的な学習計画の設定、モチベーションを保ちやすい環境、学校の授業だけでは足りない部分のサポートなど、これらは塾ならではの強みです。
大切なのは、塾に通うこと自体を目的とするのではなく、志望校合格という目標に向けて塾をどう活用するかということです。公立・私立を問わず、自分の学習レベルや環境、性格なども把握して、それに合った塾を選びましょう。
受験は人生の大切な節目です。「塾は無駄」と決めつけてしまう前に、自分にとって本当に必要なサポートは何かを慎重に考えてみましょう。
ここでは、自分に合った塾の選び方をお伝えします。
部活をやっている、習い事をやっているなど、学校の授業以外にもさまざまな活動をしている方は、スケジュールの組み立てが難しいと感じるのではないでしょうか。
無理なく通い続けるためには、自分の生活スタイルにうまく組み込める塾を見つけることが大切です。週に何回、何時間まで塾に通えるのかなどは人によって違います。
現時点で何にどのぐらいの時間を使っていて、どの曜日なら何時間ぐらいの学習時間を確保できるか把握することから始めてみましょう。
部活に力を入れている方は、毎日のように活動があるケースも少なくないでしょう。放課後の遅い時間まで部活をやっていると、その後に塾に通うのは体力的にもハードです。
部活などで忙しい方におすすめなのは、やはり映像授業です。リアルタイム配信ではなく、収録タイプの場合、再生ボタンを押したタイミングで授業が始まるので、授業の開始時間を気にする必要がありません。また、スマートフォンやタブレットなどでも授業を視聴できる場合もあるため、通学などのすきま時間を活用して学習を進めることができます。
映像授業は繰り返し受講できることがほとんどです。学習内容の理解に不安のある方は、映像授業を繰り返し視聴、理解を深めるとともに、個別指導のサポートがある塾を選ぶと良いでしょう。
もちろん、映像授業ではなく対面のライブ授業が合う方もいるので、自分の勉強スタイルを確認することも忘れずに。自分にマッチする塾を選択していきましょう。
実際にどの塾に通うかを検討するときに、予備校と個別指導、映像授業の違いを意識したことはありますか?
以下では、それぞれの授業形態の特徴やメリット、デメリットを紹介します。
一斉講義型は集団塾や予備校で広く採用されている授業形態で、一人の講師が複数の生徒に対して同時に授業を行うのが特徴です。
大学受験を見据えた講義が中心のため、自分の志望校や学力レベルに合った講義を自ら選ぶ必要があります。
一斉講義型のメリットは、実績のある人気講師の授業を受けやすく、個別指導型に比べて授業料を抑えられる点です。
ただし、あらかじめカリキュラムや授業の進度が決まっており、生徒一人ひとりの理解度に合わせて柔軟に調整されることは基本的にありません。
また、授業中に気軽に質問しにくい場合があるのもデメリットのひとつです。単に授業を受けるだけでは不十分で、予習や復習によって理解を深める自己管理力が求められます。
個別指導型は、講師1人が生徒1~5人に対して指導を行う授業形態です。生徒1人ひとりの学力や理解度に合わせてきめ細やかな指導が受けられ、わからない点をその場ですぐに質問できるのがメリットです。
ただし、周囲にライバルが少ない分、刺激や競争意識を得にくく、モチベーションが上がりにくいと感じる方もいます。
また、一般的に一斉講義型の集団塾や予備校に比べて、授業料が高くなる点にも注意が必要です。
映像授業とは、多くの場合、あらかじめ録画された授業をPCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを通して視聴します。時間を選ばずに受講できるのが大きな利点です。
映像授業のメリットは、「映像」の特性を生かし、板書を取るために一時停止をしたり、もう一度見たい部分を繰り返して見られることでしょう。理解度に合わせて、自分のペースで受講できるため、授業の理解が深まります。
しかし、デメリットもあります。リアルの対面授業と比較して緊張感が保ちにくく、集中力が切れることも。また、理解しきれない部分をその場で講師に質問できないため、見ただけで終わってしまう、ということも起こりえます。
ただ、最近は映像授業のデメリットをカバーできる塾も出てきています。
映像授業のメリットを活かしつつ、スタッフやAIによる授業後のフォロー、学習計画や受験戦略のアドバイスなどを行ってくれます。
映像授業に加えて、フォローが充実している塾は、映像授業のデメリットを解消しているともいえそうです。
映像授業で自分の時間やペースに合わせて学習を進めつつ、理解が足りない部分を質問したり、アドバイスをもらったりすることで、理解を深めるだけでなく、モチベーションも保てるからです。
塾を選ぶときは、なんのために塾に通うのかをよく考えて、自分に合った勉強スタイルとマッチする塾を選ぶことが大切です。
今回は大学受験を見据えた塾の活用方法や選び方などをお伝えしました。まずは大学受験に向けて、学校の授業をしっかりと理解して、さらに学力を積み上げるために塾を有効活用しましょう。
自分の生活習慣や勉強スタイルを踏まえ、あなたにとって一番効果的な指導をしてくれる塾を味方にできれば、塾は大学受験の強い助っ人になります。大学合格というゴールに向けて、自分に合った塾選びを始めましょう。
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