大学入試の勉強って、そもそもどうやって考えたらいいの?長い道のりだけにスタートの仕方も十人十色です。今回はそんな中から「勉強のスケジュールを立てる」ことに焦点を当ててお伝えします。入試までの限られた時間を有意義に使うためのひとつの方法が「勉強のスケジュールを立てる」こと。あらかじめやるべきことを整理し、スケジュールを立てることで、効率的に勉強を進められるメリットがあります。
参考:大学受験勉強法 カギはスケジュール立てにアリ!効率化できる鉄板の方法
大学受験に向けての勉強は高校に入ったときから始まっています。まずはどの教科も基礎づくりが大切。予習や復習、学校の授業、定期テストは基礎づくりに役立ちます。
あれもこれもと手を出す前に、予習・復習、テスト勉強はしっかり行うようにし、優先的にスケジュールに組み込みましょう。
「予習」→「授業」→「復習」が学習スタイルの基本。日々、そのサイクルを繰り返す習慣づけから始めましょう。
まず授業の前に予習をして、自分が「分かるところ」と「分からないところ」が何かをはっきりさせておきます。そうすると、授業では、自分の「分かるところ」と「分からなかったところ」を確認しながら授業を聴くことができます。板書や先生のコメントを、後から見返して分かるようにノートに書き込みましょう。
授業の後には復習をします。ノートを見返して理解できない箇所があれば、先生に質問しに行くのもおすすめ。後回しにしていると、どんどん忘れてしまいます。その日の疑問はその日のうちに解決しておきましょう。
受験勉強を始めた人は、受験勉強と定期テスト対策、どうスケジュールを立てたらよいか悩む人も多いかもしれません。
総合型選抜や学校推薦型選抜での受験を考えている人は、学校の成績が加味されることが多いため、定期テスト対策も重要です。一方「一般入試だから定期テストは重視しない!」という人も、苦手分野については定期テストの勉強をするのがおすすめ。定期テストでは基礎レベルの問題が出題されるので、受験に向けた苦手部分の補強になります。
定期テスト対策はテスト2週間前から少しずつ始め、1週間前からは定期テスト対策をメインにしたスケジュールを組むとよいでしょう。
勉強スケジュールの立て方を、1日、1週間、1ヶ月、1年間の単位別にご紹介します。
高1・2年生は部活で忙しく、特に平日はまとまった勉強時間が取れない人も多いでしょう。自分の生活サイクルに合わせて1日の勉強スケジュールを立てましょう。
スケジュールに縛られすぎると、勉強がつらくなります。計画通りにいかないのが普通と考えて、少し余裕を持たせた計画にしておくとよいでしょう。
睡眠、食事、入浴、休憩時間も含めた1日のスケジュールを組んでみます。
■平日のスケジュール例(高校生、部活あり)
6:00 起床
6:30 朝食
7:00 通学
8:00 学校(授業開始前の15分で数学の簡単な計算問題)
12:40 昼休み(昼食後の15分間、単語帳で英単語)
〜〜〜
16:00 部活
19:00 部活終了
20:00 帰宅
20:30 夕食・入浴
21:00 授業の復習・予習
22:00 自由時間
23:00 就寝
5〜10分の隙間時間を勉強に充てる
まとまった勉強時間を取れない人は、5〜10分の隙間時間を1日3〜4回確保してスケジュールに組み込みましょう。例えば、朝の通学時の待ち時間や、昼食を食べた後の昼休みの残り時間、お風呂に入った後、寝る前など「この時間は勉強に充てる」とルーティンを決めておくと習慣化できます。着実に積み上げていくことで大きな成果になります。
勉強するのは夜でも朝でも
「夜は眠くてできないから、朝早く起きてやる!」もOKです。自分がやりやすい方の時間帯に設定しましょう。
睡眠時間は十分に!大幅に削らないこと
眠いのに無理やりやっても頭に入ってきません。無理なく続けていくには十分な睡眠時間を確保しましょう。
休憩や遊びの時間も確保する
1時間勉強したら10〜15分休憩を取るスケジュールにしましょう。人間の集中力は持って90分と言われており、適度に休憩が必要です。
ゲームや漫画、スマホなど自分な好きなことをやる時間もリフレッシュになります。「寝る前の1時間は自由時間」など時間を決めておくと、メリハリがつきます。
次に、1週間の勉強スケジュールの立て方をご紹介します。
STEP 1 勉強時間をピックアップ
1週間(月〜日曜)であなたが取り組める勉強時間、時間帯をピックアップしましょう。
STEP 2 その週にやりたいこと(タスク)を書き出す
例えば「問題集のここからここまでの範囲を解く」「英単語を10個覚える」などです。
STEP 3 タスクの優先順位をつける
優先順位の高いタスクから順に、スケジュールに組み込んでいきます。
必ず睡眠時間や休憩時間も入れて計画を立てましょう。
好きな教科と苦手な教科、優先順位は?
「苦手を克服しよう!」と苦手教科の勉強時間をたっぷり取ったものの、結局つらくなってできなかった……という経験はありませんか?
そういう人は、自分の好きな教科や、スラスラできる問題から始めてみましょう。やる気や集中力が高まり、気分が乗った状態で勉強を進めることができます。苦手教科に取り組むときは5分、10分の短い時間から始め、無理せず少しずつ時間を延ばしていくとよいでしょう。
たまには休みの日も作ろう
受験勉強は長丁場。「毎日、長時間勉強!」ではなく、適度に息抜きすることは必要です。1週間のうち1日はお休みにし、好きなことをしてリフレッシュしましょう。
計画通りにできなかったら…
「今日は英語をやる日だけどやる気が湧かない」という日もあります。そういうときは無理にやらずに翌日以降に回し、スケジュールを調整しましょう。
また別のケースでは「数学をやり始めたら調子が良くて、予定よりもっとできそう!」という日もあるでしょう。そういうときは流れに乗ってできるところまでやってしまいましょう。自分の調子に合わせて、スケジュールは柔軟に変更しましょう。
夏休みなど1ヶ月にわたる長期の休み期間は、普段より勉強時間が取れるという人も多いのではないでしょうか。時間を有意義に過ごすため、1ヶ月の勉強スケジュールを立ててみるのもよいでしょう。
1ヶ月の勉強スケジュールは、月単位から週単位、日単位と分けて立てていきます。
STEP 1 長期休暇中の学習目標を決める
「英語の問題集を1冊仕上げる」「数学の図形の基礎問題を3回繰り返す」などなるべく具体的な学習目標を立てましょう。
STEP 2 学習目標に沿って、週単位のスケジュールを組む
学習目標に沿って、1週目は「数学の関数」と「英語の文法」、2週目は……というように週単位に振り分けます。さらに、週ごとのタスク(例:関数の問題集●〜●ページなど)を決めます。
なお、週タスクはまずは2週間分を作成し、あとは様子を見て調整しながら立てるとよいでしょう。
STEP 3 1日単位に振り分ける
週単位のタスクが見えたら、1日単位でスケジュールを組みます。
1年間の勉強スケジュールは、1年後の達成目標から逆算してスケジュールを立てるのがよいでしょう。
文系・理系、志望校や入試方式により受験に必要な科目や出題範囲、入試時期が異なります。志望する大学や学部に目星をつけ、大学入試の仕組みも理解しておきましょう。自分はどのような受験をするのかおおまかにでもイメージしてください。
その上で1年の目標を決め、何をいつまでにやっておけばよいかを整理してスケジュールを立てるとよいでしょう。
高校生活3年間はあっという間に過ぎていきます。忙しい毎日の中で将来について少しずつ考え、受験に向けて準備しておくことは大切です。
勉強のスケジュール立てはコツコツとググッと追い込みがミソ
勉強スケジュールの立て方について解説してきました。基本となる1日の勉強スケジュールは、各々の生活サイクルに合わせて、隙間時間を有効活用しながら計画を立てるのがコツ。また1週間の勉強スケジュールは「1週間でこれをやる」タスクを書き出し、スケジューリングします。夏休みなど1ヶ月の長期休みのスケジュールは、まず1ヶ月の学習目標を決め、週ごとのタスク、1日のタスクと落とし込んでいきます。
注意したいのは、高すぎる目標や無理な計画を立てないこと。スケジュール通り「できない」ことで、やる気を失っては本末転倒です。大切なのはあなたが前向きに勉強に取り組み続け、一歩一歩合格に近づくこと。スケジュールはあくまで予定、柔軟に変更してもよいものだということを忘れずに。
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