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復習のタイミングが分からない!脳に一番定着するのはいつ?

復習のタイミングが分からない!脳に一番定着するのはいつ?

勉強した内容を脳に定着させるには、復習が大事です。しかし「復習のタイミングはいつがいいの?」「復習のやり方が分からない」という悩みを持つ中学生や高校生は多いようです。この記事では、効果的な復習のタイミングや復習のやり方のコツをご紹介します。

目次

    復習が大切な理由

    そもそもなぜ復習が大切なのでしょうか。復習には、学習した内容を記憶として定着させたり、理解度を深めたりする効果があります。

    学習スタイルの基本は「予習・授業・復習」

    復習は大切ですが、予習と授業があっての復習です。

    復習だけに力を入れるのではなく、授業の前に予習を行う、授業を受ける、復習をする、いつもこの1セットで行うことを続けていきましょう。

    このサイクルを続けることで、学習したことをより着実に身につけていくことができます。

    復習でより深く理解できるようになる

    復習には、学習したことの理解度を深める効果もあります。

    一度授業で聞いただけでは完璧に理解することは難しいもの。また、単なる丸暗記や「覚えている」だけの状態では、本当の意味で理解したとは言えません。

    復習で意味や背景なども一緒に理解することで、より深い知識を身につけることができます。それによって、同じような問題はいつでも解けて、さらに発展した応用問題にも対応できるようになるのです。

    復習で記憶を定着させる

    一夜漬けで覚えたつもりが、次の日にはほとんど忘れている……という経験はありませんか?そもそも人間は、一度覚えたことも時間が経つにつれ、どんどん忘れていく生き物です。

    私たちの脳には、情報を整理する重要な役割を持つ海馬という器官があり、その海馬に「重要な情報」と判断されたものが長期的な記憶として定着します。

    海馬は何度も繰り返し入ってくる情報を「重要な情報」と判断します。だから繰り返し復習することが大切なのです。

    効果的な復習のタイミング

    では、復習するのに効果的なタイミングはあるのでしょうか?復習は1回だけではなく、時間を置きながら数回繰り返し行うと効果的と言われています。

    復習は授業の当日、3日後〜1週間後、1ヶ月後が効果的

    復習の効果的なタイミングは諸説ありますが、目安は1回目が授業の当日、2回目が3日後〜1週間後、3回目が1ヶ月後と言われることがあります。

    忘却曲線
    ドイツの心理学者エビングハウスが、人が忘却するメカニズムを解明するために行った実験結果をグラフに表した「エビングハウスの忘却曲線」。このデータから、長い時間を空けずに復習をすれば、1回目に記憶したときよりも短時間で記憶を戻せることが分かっています。

    エビングハウスの忘却曲線グラフ

    この「エビングハウスの忘却曲線」のデータを読み取ると、1時間後の「節約率」は44%となっています。例えば、ある人がランダムな数字の列を10分で覚えたとします。この数字はランダムで意味のない羅列なので、大抵の人は1時間後には忘れてしまうでしょう。しかし、1時間後に再び同じ数字の羅列を記憶しようとすると、1回目に記憶したときの時間から44%の時間を節約できる、というのが「節約率」です。つまり初めて覚えるときに10分かかっていたものが、2回目には5.6分(5分36秒)で記憶することができた、というものです。

    この節約率は、1回目に覚えたときから時間が経過するごとに低下していきます。時間が経てば経つほど、覚え直しにかかる時間が長くなり非効率です。つまり時間を空けずに復習すれば、より短時間で記憶を戻すことができ、効率的といえるでしょう。

    時間の間隔を空けてくり返し復習をしてみよう
    効果的な復習の回数やタイミングは人それぞれ違うものの、まずは1回目、2回目、3回目と時間の間隔を空けながら試してみましょう。

    人によって2回の復習で十分な人もいれば、4回以上必要な人もいます。調整しながら自分に合った復習のタイミングを見つけていきましょう。

    脳のパフォーマンスが高い朝食前、夕食前の復習で効果アップ

    脳科学の専門家の間では、朝、目覚めてからの約2〜3時間は、脳がよく働き、集中力が高まる時間帯と言われています。また朝はドーパミンやアドレナリンの大量分泌により、思考力やひらめきに優れているため、復習にも適しています。
    少し早起きして、朝食前までの時間を復習にあててみるのもよいでしょう。

    参考:勉強は朝何時からが効果的?夜中の勉強は大丈夫?

    夕方の4時頃からもまた脳がよく働く時間帯と言われており、復習に効果的です。夕食を食べてしまうとお腹が満たされ、眠気が出てくることも多いため、夕食前の時間を活用するとよいでしょう。

    効果的な復習は「復習しやすい」ノートづくりがポイント

    復習のやり方もさまざまありますが、大きく分けて授業の復習と、模試や定期テストの復習の2パターンあります。それぞれのコツをご紹介します。

    授業の復習は、教科書やノートを見返す

    日々の授業の復習の基本は、教科書やノートを見返すこと。そのため授業中にノートを取るときは、復習を見据えたノート作りをしましょう。

    「授業を思い出せるノート作り」が大切
    「見返しても何が書いてあるかよく分からないノート」ではノートの意味がありません。ただ板書を書き写すのではなく、後からノートを見たときに授業を思い出せるように、工夫しながらノート作りをしましょう。 

    【例】
    ●ノートの左ページは予習のときに書くスペースとして使い、授業では右ページに板書や先生のコメント、予習で間違えていた箇所をチェックして正解や解説を書き込む

    ●板書を写すときは、図や表、地図などを入れてパッと見て分かりやすく

    ●色ペンや付箋を活用して、重要ポイントを目立たせる

    参考:必勝合格!ノート術

    模試や定期テストの復習は、問題を解き直す

    模試や定期テストの復習では、自分が間違えた問題のチェック、答えや解説を読むことはもちろん、必ず解き直しをしましょう。

    自分が間違えた問題だけではなく、正解していても、難しいと感じた問題は何回も解き直すことで力が付き、次に繋がります。

    高校・大学入試本番の答案を意識した書き方をする
    解き直しをするときは、入試本番を意識したノート作りをしてみましょう。

    罫線のない白紙のノートを使い、あえて色ペンは使わず黒1色でも見やすく。入試本番に近いこの書き方に日頃から慣れておくと、受験対策に有効です。

    まとめ

    効率的に復習して、知識を定着&理解度を深めよう

    復習の効果的なタイミングやコツについて見てきました。勉強したことを忘れずに長く記憶に留めておくためには復習が不可欠です。復習のタイミングは諸説ありますが、授業の当日、3日後〜1週間後、1ヶ月後がひとつの目安。時間の間隔を空けつつ、まずは3回の復習を試してみましょう。脳がよく働くと言われる朝食前と夕食前の時間帯を活用してみてください。コツコツ復習を積み重ねて、着実に知識を定着させ、成績アップに繋げていきましょう。

    Photo / Getty Images

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