

「頑張っているのに、なかなか成績が上がらない」「もっと効率良く勉強できたら良いのに」と思ったことはありませんか。実は、暗記方法やノートのまとめ方、学習スケジュールの立て方、環境づくりなどを少し工夫するだけで、学習効果が高まりやすくなります。今回は、効率の良いおすすめの勉強法に加えて、勉強の妨げになるNG習慣や、効率を下げないためのポイントもご紹介します。

暗記を効率良く行うには、視覚・聴覚・触覚といった「五感」を活用するのがポイントです。
テキストを黙読するだけでなく、手を動かして書いたり、声に出して読んだり、図にまとめて整理したりするなど、複数の感覚を組み合わせると、記憶がより深く定着しやすいといわれています。
また、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は新しく覚えた内容を、1時間後には約56%、1日後には約70%も忘れてしまうそうです。
学習した内容は時間を空けて繰り返し復習し、記憶を長期化させましょう。
さらに、学習した内容を誰かに説明するなどアウトプットの機会を持つことで、自分の理解が深まり、知識としてしっかり定着します。暗記は「受け身」ではなく、「能動的に働きかけること」がポイントです。
関連記事:「記憶力を高める方法はあるのか?オススメの暗記法」

ノートの書き方や内容を工夫することも勉強効率を上げるひとつの方法です。効率良く勉強できるノートのコツをご紹介します。
地図で位置関係を覚える必要がある歴史や地理、色や形状などを覚える必要がある化学などでは、ノート作成に工夫が必要です。
しかし手書きに時間をかけすぎるのは非効率です。手書きが難しかったり、時間がかかったりするものは、教科書や参考書をコピーしてノートに貼ると時間短縮になります。
また模試で間違えたところの復習のため、問題冊子を切り取ってノートに貼り、その横に解説や関連事項を手書きでまとめる方法もあります。後で見返したときに分かりやすく、効率的です。
色ペンやマーカーは、自分の中できちんとルールを決めて使うのがポイントです。
具体的には、重要な語句はオレンジで書き、問題を解いたときに覚えきれていなかった語句をさらに蛍光ペンで目立たせる、などです。使う色は黒、オレンジ、蛍光イエローの3色。ノートを見たときに、覚えるべき箇所がパッと一目で分かり、効率的です。
また歴史の暗記ノートで、重要事項は赤、共通テストレベルが青、二次試験レベルを黄色で書くなど、内容の重要度によって色分けしている先輩もいました。こうしておくと共通テスト直前には赤と青を中心に見直せば良いので、効率良く覚えることができます。
問題集を解くときには、問題集に直接書き込まず、必ずノートに書くようにします。そうすることで、問題集を繰り返し解くことができ、アウトプットを効率的に行えます。
問題演習用のノートのほかに、間違えた問題のポイントをまとめるノート、問題演習のときに新しく知った内容を自分のまとめノートに書き加えるなど、覚えるべき情報をなるべく1つのノートにまとめる工夫をすると効率的です。
どんなにスケジュールや勉強法を改善しても、モチベーションや集中力が下がっていては勉強効率が下がります。
モチベーションアップに効くアプリを利用したり、お気に入りの文房具を使ったりするなど、自分のやる気が上がるグッズを取り入れてみましょう。
また、残り時間が見えるタイマーは集中力アップにおすすめです。「30分で問題を10問終わらせる」などと決めて取り組むと集中力が上がります。

効率良く勉強を進めるには、ゴールから逆算してスケジュールを立てることが大切です。「いつまでに何を達成するか」を明確にし、大きな目標を月・週・日単位へと分解すれば、無理のない計画を立てやすくなります。
ただし、あまり細かく予定を詰めすぎると、スケジュールが崩れたときに立て直しが難しくなるため注意が必要です。計画通りに進まない日があることを前提に、あらかじめ調整日を設けておくと安心です。
また、1日の終わりにその日の学習内容や達成度を振り返って記録する習慣をつけると、スケジュールの見直しや進捗管理にも役立ちます。

成績アップを目指すには、勉強の効率を上げるだけでなく、効率を下げる要因を遠ざけることも大切です。ここでは、勉強の効率を下げないためのポイントを4つご紹介します。
長時間、勉強しようとしても集中力が低下し、勉強効率は下がります。勉強効率を上げるためには適度な休憩も必要です。
目安として1時間に1回、5〜10分の休憩を取るようにしましょう。どうしても眠いときには15分程度の仮眠を取るとスッキリしてまた取り組めます。
身の回りに気が散るものがあると、それだけで集中力が削がれてしまいます。机の周囲にはマンガやテレビゲームなどを置かず、テキストやノート、文房具など必要最小限のものだけに整えましょう。
勉強中はSNSやチャットの通知で集中が途切れないよう、通知をオフにするか、別室に置いておくのがおすすめです。ただし、緊急の連絡が入る可能性がある場合は、適切に設定を調整してください。
また、室温が寒すぎたり暑すぎたりすると集中力が落ちてしまうため、エアコンや加湿器を活用し、快適に過ごせる環境を整えましょう。
照明は、落ち着いた雰囲気の電球色よりも、集中しやすい白色光のほうが勉強に適しています。
関連記事:「勉強部屋の作り方!集中できる部屋になる配置とインテリアのコツ」
勉強効率を上げるためには、十分な睡眠も不可欠です。
日中に得た情報や知識は、睡眠中に脳が情報を整理し、記憶を定着させるため、質の高い睡眠は記憶力の向上にもつながります。
夜ふかしを続けると体内リズムが乱れ、生活習慣そのものが崩れてしまいます。その結果、集中力ややる気が維持できず、勉強に支障が出るおそれもあります。また、慢性的な睡眠不足は、集中力・判断力・記憶力のすべてを低下させる要因となります。
勉強時間を増やすために睡眠を削るのではなく、学習の質を高めるためにも、規則正しい生活と十分な睡眠時間の確保を心がけましょう。
勉強しながらスマートフォンをチェックしたり、音楽を聴きながら問題を解いたりする「ながら作業」は避け、1つのことに集中する「シングルタスク」を意識しましょう。
マルチタスクは一見効率的に思えるかもしれませんが、実際には脳がタスクを切り替えるたびに集中力とエネルギーを消耗しており、結果として学習効率が下がってしまいます。
また、シングルタスクに比べて生産性が低下することも指摘されています。
学習の質を高めるには、スマートフォンやSNS、音楽などの余計な情報をできるだけ排除し、1つの課題に集中できる環境を整えることが大切です。目の前のことに集中しやすくなり、学習効果も向上します。

真面目に取り組んでいても、学習効率を下げてしまうNGな勉強法は意外と多いものです。ここでは、多くの方がやりがちな非効率な勉強法と、その改善ポイントを3つ紹介します。
勉強は長くやれば良いというものではなく、質も大切です。長く勉強しているのに成績がなかなか伸びない方は、勉強法を見直しましょう。
まずは学習目標(数学の問題集の何ページまでをやる、英単語50個覚えるなど)を立て、それに沿ったスケジュールを決めて取り組むのがおすすめです。
1問解くのに時間をかけすぎる、インプットの時間が長すぎるのも非効率の原因に。時間を測って取り組み、区切りをつけて次に進みましょう。
教科書やテキストにアンダーラインを引きすぎて、結局どこが重要なのかよく分からなくなってしまった……ということはありませんか?
この線を引く作業は、勉強を「やったつもり」に陥りやすいです。実際、教科書やテキストを読みながら線を引くだけでは、なかなか覚えることはできません。どうやったら覚えることができるかの方に力を入れましょう。
問題を解いた後の答え合わせで、解けなかった問題は解答を書き写して終わり、としている方も多いです。
解説を読んでその場では理解したつもりでも、実際には理解しきれておらず、次に同じ問題に取り組んだときにまたつまずいてしまうことはよくあります。
その問題を確実に正解できるようにするためには、数日後に再びその問題を解き直すことが大切。解き直すことで、着実に知識や解き方が身についていきます。

五感を使った暗記法やノートの工夫、学習スケジュールの立て方など、少しの工夫で学習効果は大きく変わります。
効率の良い勉強法を取り入れることで、学習効果が上がるだけでなく、集中力やモチベーションの維持にもつながります。
「頑張っているのに成果が出ない」と感じている方は、一度勉強方法を見直し、できることから取り入れてみましょう。
Photo / Getty Images