勉強におけるノートの活用法はさまざまあります。ノートを取ることには学習したことをわかりやすく整理したり、記憶に定着させるといった効果があり、日頃の成績アップはもちろん、受験においても重要なツールとなります。 しかし「板書を写すので精一杯」「どう書いたらよいかわからない」といった悩みはありませんか。この記事では、ノートの取り方の基本、自主学習の効率が上がるノート作りのコツをご紹介します。
「とりあえず板書を写しておこう」など、普段何となくノートを取っていませんか?そもそも何のためにノートを取るのか、まずはノートを取る目的を理解しておきましょう。
ノートを取ることの基本的な目的は「情報の記録」と「記憶の定着」です。ノートは学習内容のインプットに役立てることができます。
例えば授業の板書や、先生が言った内容をノートに書き留めておくのは「情報の記録」になります。
「手書きで書く」「ノートをまとめる」といった行為自体が、記憶の定着につながると言われています。また後からノートを見返して復習することで、さらに記憶の定着を促すことができます。
ノートはアウトプットのツールにもなります。勉強ではインプットだけでなく、アウトプットも重要。アウトプットすることで思考の整理や理解度アップ、そして知識を使いこなす応用力を身につけることができます。
アウトプットとしてのノートの例は、授業のまとめノート。試験に出そうなポイントを意識し、覚えるべき情報や関連する情報などを自分なりにまとめてノートにアウトプットすることで、授業で聞いた内容や頭の中を整理して、記憶に定着させることができます。
次に、ノートの書き方の具体的なポイントをご紹介していきます。ノートは科目別、さらに目的別に分けて作ることで、より効果的に勉強に活かすことができます。
授業中にノートをまとめきれない場合や、後から補足するなどして整理してまとめたい場合は、授業後に復習用のまとめノートを作っておくと、復習に役立ちます。
授業中はただ板書を写すだけでなく、後から見返したときに授業の内容を思い出せるようにノートを取ることが大切です。重要ポイントや試験に出そうなポイント、自分の気づきや疑問点、注意点もメモしておき、疑問点は自分で調べたり、先生に聞いたりして解決しておきましょう。
授業が終わったら、まとめ用のノートを使ってノート作りをしていきます。できれば授業の当日、なるべく授業の記憶が新しいうちに作るとよいでしょう。
まとめかたのコツは、内容を「理解しながら書く」ことです。授業のノートに書いてあることをただ書き写すのではなく、授業で聞いたポイントや気づき、注意点などを、自分なりに整理し、理解しながらまとめていきましょう。
色ペンやマーカーを使ってポイントを目立たせたり、必要に応じてイラストや図表も入れたりすると見やすくなり、復習にも役立ちますが、ノートをきれいにまとめることにこだわりすぎないことも大切です。最も優先すべきことは、学習した内容をいかに効率よく覚えるかです。スピードと効率も意識して取り組みましょう。
英単語や古文単語、歴史などの暗記には、暗記用ノートを作るのもよいでしょう。
覚えたい単語や用語をオレンジや赤などのペンで書き、赤シートで隠せるようにします。赤シートで隠しつつ、頭の中で思い出したり、声に出したり、手で書いたりを繰り返すことで記憶に定着させていきます。
A5やA6サイズの小さめのノートにすれば、通学などの移動時や休み時間などちょっとしたすきま時間の勉強にもぴったりです。
参考:記憶力を高める方法はあるのか?オススメの暗記法
参考:すきま時間の勉強は区切りやすいものがGood!
ノートは苦手克服にも役立てることができます。いつも間違えてしまう問題や、なかなか覚えられない箇所を教科ごとに1冊のノートにまとめた「苦手克服ノート」は、苦手分野の補強に使えます。
このノートには問題と解答だけでなく、どこをどう間違えたのかを分析し、次に間違えないようにするにはどうすれば良いかを考えて、ポイントを書き込みましょう。
人間の脳には何度も入ってくる情報を重要であると判断し、長く記憶させる性質があります。ノートで繰り返し復習し、苦手克服を目指しましょう。
参考:記憶力を高める方法はあるのか?オススメの暗記法
参考:復習のタイミングが分からない!脳に一番定着するのはいつ?
ノートの書き方は使う人自身が見やすい、わかりやすいものであればどんなものでも構いません。しかし中には「ノートがごちゃごちゃして見づらくなってしまう」「うまくまとめられない」という人もいるようです。最後に、見やすいノートを作るコツを3つご紹介します。
最初にノートのフォーマットを決めておきましょう。そうすることで毎回どう書くかを迷うことがなくなり、サッと書き始めることができます。後からノートを見返すときにも、どこに何が書いてあるかがすぐにわかるため、効率よく復習ができるメリットもあります。
教科や目的に合わせて2分割、3分割するなど、自分なりに書きやすいフォーマットを決めましょう。
ノートのフォーマットは一般的に、見出し、内容欄、要約の3分割にするコーネル式が有名ですが、ほかにもさまざまなフォーマットがあります。インターネットで検索するなどして、自分に合ったフォーマットを探してみるのもよいでしょう。
ノートは後から書き足したり、メモをしたりすることも多いものです。後から書き足せるスペースがないと、見づらいノートになってしまいます。ノートを書くときは多めに余白を取っておきましょう。
内容が1つ終わるごとに2〜3行空けたり、右端部分5分の1をメモスペースとして空けたりして多めに余白を取っておくと、後から書き込んでも見た目がスッキリして、内容も頭に入りやすくなります。
色ペンやマーカーの色は3色程度に抑えると、シンプルにまとまり、見やすいノートになります。何色も使ってカラフルにしすぎると、本当に大切なポイントがわかりづらくなってしまいます。
色の使い分けは自分なりのルールで構いません。重要ポイントは赤、補足は緑など、あらかじめ決めておくとよいでしょう。
参考:必勝合格!ノート術
参考:受験に強いノートの作り方と活用術! あなたはノート派?ルーズリーフ派?
ノートで成績アップ!見やすいノートで自分で勉強を進められるようにしよう
ノートの書き方を工夫することで、学習したことを効率よく定着させることができます。復習、暗記、苦手克服など、何のためにノートを書くのかという目的を意識し、書き方を工夫することで、自分で勉強を進められるようになります。
ノートのフォーマットや色のルールを決めておくことで、スッキリ見やすいノートに。ノートを上手に活用して、勉強に役立てていきましょう。
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